技能実習生の採用費用を徹底解説|受け入れから運用コストまで

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・技能実習生受け入れに必要な具体的費用
・技能実習制度と特定技能制度の違い
・今後の検討ポイント

技能実習生の受け入れには、さまざまな準備や手続きが必要で、それぞれに費用が発生します。これらの費用を具体的に把握しておくことで、計画的な受け入れが可能になります。本記事では、初心者にもわかりやすいように、手続きに解説します。

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技能実習生の入国前に必要な企業負担費用

技能実習生を雇用する場合、日本人の雇用とは異なり、実習期間中や就業中の費用に加え、受け入れ前の初期費用が発生します。技能実習生を受け入れる際の初期費用について、項目ごとに内訳を詳しく解説していきます。

監理団体への入会費用と年会費

技能実習生を受け入れる場合、原則監理団体に入会が必要です。監理団体は、技能実習制度を適切に運営するため、受け入れ企業を支援する非営利法人です。技能実習計画の作成や提出、ビザ申請手続きなどの法的サポートを行うほか、技能実習生の生活や就業環境の確認、定期的な監査を通じて、実習が円滑に進むよう支援します。

費用項目費用相場
監理団体入会費1万円~3万円(入会時のみ)
監理団体年会費年間1万円~10万円
JITCO賛助会費年間10万円~15万円

技能実習生の受け入れは団体監理型と企業単独型があり、企業単独型では監理団体を利用せず、自社で全てを行います。約9割が団体監理型を採用しています。

JITCO賛助会費について

JITCO(公益財団法人国際人材協力機構)は、外国人技能実習制度を支援するための機関です。この機関は、「受け入れ」「手続き」「送出し」「人材育成」「実習生保護」の5つの分野で監理団体や実習実施者をサポートしています。JITCOへの入会は必須ではありませんが、技能実習生に関する手続きがスムーズになるため、多くの監理団体が賛助会員への加入を推奨しています。

現地での採用面接に必要な費用

技能実習生の人選には現地訪問や採用面接が必要で、渡航費が発生します。平均10万~30万円が目安です。担当者2名で2日間の訪問が一般的ですが、WEB面接対応の監理団体を選ぶことで費用を抑えることも可能です。監理団体や人材紹介会社を活用し、計画的に進めることが重要です。

最近は、オンライン面接が主流になってきています。

技能実習生の入国準備に必要な費用

技能実習生を採用した後、日本入国までの準備にかかる費用をまとめました。これらの手続きは主に送り出し機関が行いますが、費用は受け入れ企業が負担するのが一般的です。

主な費用項目とその内容

健康診断費用(約1万円)
健康状態を事前に確認することで、リスクを軽減します。

入国前教育費用(2万~4万円)
日本語や文化、習慣を学ぶ教育の費用です。送り出し機関が提供します。

在留資格申請サポート費(2万~4万円)
必要な在留資格(ビザ)の申請支援にかかる費用です。

入国渡航費(6万~10万円)
航空券代が主で、国籍によって費用が異なります。

実習生総合保険料(3万~9万円)
病気やケガ、賠償責任に備える保険料です。法務省ガイドラインで加入が推奨されています。

これらの費用を計画に組み込み、監理団体や送り出し機関と密に連携して進めることが重要です。費用を抑えたい場合は、信頼できる監理団体を選ぶことを検討してください。

技能実習生1人あたりの入国前費用は平均約27万~46万円となります。

技能実習生の入国後に発生する企業負担費用

技能実習生が日本に到着した後、講習や生活サポートなどにかかる費用です。これらは受け入れ企業が負担するのが一般的です。

主な費用項目

入国後講習費用(約6万~10万円)
配属前に日本語や生活ルールを学ぶ約1ヶ月間の講習費用です。

講習期間中の生活手当(約6万円)
講習期間中は給与が支払われないため、生活費として手当を支給することが義務付けられています。

雇入れ時健康診断(約1万円)
労働安全衛生法に基づき、雇用時に健康診断を実施する費用です。

交通費(約3万円)
空港から講習施設への移動費などが含まれます。

寮費(約20万~50万円)
技能実習生が住む寮の敷金・礼金、家具家電の購入費用などです。

入国後の費用は、平均約36万~70万円となります。ただし、寮費は地域により大きく変動するため、実際の費用は各企業の状況により異なります。

技能実習生の入社後にかかる月額費用

技能実習生の配属後には、管理費や各種手続きにかかる費用が発生します。主に毎月発生する費用と、都度必要な費用に分けられます。

毎月発生する費用

監理団体への管理費(月額 約3万円)
監理団体が実習生の監査や訪問指導を行うための費用。

送り出し機関への管理費(月額 約5千円~1万円)
実習生のサポートや相談対応を行う現地の送り出し機関への費用です。

技能実習生の採用には、人件費に加え月3万~5万円の管理費がかかるため、計画的に採用しましょう。

技能実習制度における都度発生する費用について

技能実習制度では、実習生が技能を習得し、安心して生活できる環境を整えるために、受け入れ企業が負担する費用が発生します。以下に、主な費用項目について簡単にご説明します。

都度かかる費用

帰国渡航費積立金(年間約2万円)
実習期間終了後の帰国費用を準備するための積立金。

技能検定料(約2万円)
実習期間中に受ける技能検定の受験費用。

在留資格更新費用(約2万~4万円)
実習期間延長時のビザ更新に必要な費用。

技能実習生が実習開始までにかかる総費用

技能実習生の受け入れにかかる概算費用をまとめると、実習開始までに約51万円~約92万円が必要です(※JITCO未加入の場合)。監理団体や送り出し機関のサポート体制によって費用は異なるため、あくまで目安としてご参考ください。

一見高額に思える費用ですが、技能実習生は原則として転籍ができず、最長3年間は自社で働くことが可能です。このため、日本人採用の転職リスクを考慮しつつ、費用対効果を検討することをおすすめします。

技能実習生の給与目安と支払い時の注意点

「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、技能実習生の平均給与は17万7,800円になります。技能実習生の給与が他の在留資格者や日本人労働者と比べて低い水準にあることがわかります。ただし、適切な賃金設定をしないと法律違反や受け入れ停止のリスクがあるため、注意が必要です。

参照:厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査

給与を支払う際の3つのポイント

技能実習生の給与は、法律を遵守し適切に設定する必要があります。まず、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金のうち高い方を基準にする必要があります。さらに、時間外労働や休日勤務に対しては割増賃金(時間外・深夜労働で25%以上、休日労働で35%以上)の支払いが義務付けられており、これを下回る契約は法違反となるため注意が必要です。

技能実習制度は廃止予定、特定技能制度も視野に

技能実習制度は多くの問題が指摘され、2027年を目途に廃止が予定されています。本来の目的である技術移転を通じた国際貢献が薄れ、労働力として利用される実態や、転職の制限で労働者の権利が守られないケースが課題とされています。

これに代わり、新たに導入される「育成就労」制度は、特定技能制度と同様、介護、建設、農業など専門分野に特化し、転職を一定範囲で認める仕組みです。育成就労制度では労働者がより安定的なキャリア形成を目指せると期待され、2027年までの本格施行に向けた議論が進んでいます。

特定技能制度の利点

特定技能は、人手不足解消を目的とし、技能実習より柔軟でコストを抑えられる制度です。出入国在留管理庁によると、特定技能の支援委託料は月額平均28,386円、採用費用も「10万~30万円未満」が主流で、技能実習より負担が軽い傾向があります。

まとめ

技能実習生の受け入れには、入国前後で多くの費用が発生します。これらを把握し計画的に進めることで、効率的かつスムーズな受け入れが可能です。また、制度変更を見据え、特定技能制度との比較を検討することが重要です。信頼できる監理団体を選び、費用対効果を考慮しながら、自社に最適な外国人採用プランを見つけましょう。

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この記事の監修者

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キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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