
日本の労働市場におけるベトナム人技能実習生の減少
日本国内で働く外国人労働者のうち、ベトナム人技能実習生の割合は増加してきましたが、近年の円安やインフレの影響で「稼げなくなった日本」への魅力が薄れ、彼らの日本離れが進んでいます。2023年時点で日本に在留する外国人労働者数は200万人を超え、その中でベトナム人技能実習生は最多の約52万人ですが、新たに日本を目指す人数は減少傾向にあります。
日本を選ぶベトナム人技能実習生が減少する理由
近年、日本での生活費が上昇し、円安によって日本円の価値が下がったことから、ベトナム人技能実習生が日本で稼いで母国に仕送りをすることが難しくなりました。また、円安の進行により、実習生が日本で得る収入の目減りが懸念されています。結果として、ベトナム国内で「日本では稼げない」という認識が広まり、日本で働くことの魅力が低下しているのが現状です。
韓国が「稼げる国」としての魅力を高める
韓国は外国人労働者の受け入れを積極的に拡大し、ベトナム人技能実習生にとって「稼げる国」としての人気が高まっています。韓国では製造業を中心に平均月収が日本を上回り、日本の実習生制度に比べて労働環境が魅力的とされています。こうした他国との比較も、ベトナム人技能実習生が日本を敬遠する一因となっています。
日本が「選ばれる国」になるための課題
今後、日本がベトナム人技能実習生を含む外国人労働者から選ばれる国となるためには、円安やインフレへの対策を講じ、賃金面での競争力を高めることが不可欠です。また、2027年からは新たな制度「育成就労制度」が導入され、ベトナム人技能実習生が負担する来日費用を軽減することも検討されています。しかし、制度改革だけではなく、根本的な賃上げが必要とされており、より魅力的な労働環境の整備が急務です。
まとめ:日本がベトナム人技能実習生を再び引き寄せるために
ベトナム人技能実習生が日本を選び続けるためには、現状の経済要因への対応や賃金アップといった対策が必要です。韓国など他国との賃金や待遇の差を埋め、日本の実習制度を改善していくことで、日本が再びベトナム人技能実習生にとって魅力的な選択肢となる可能性があります。
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