
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。
本日のトピックはこちら!
・文化的ギャップの理解と対策の重要性
・ベトナム人労働者の現状
・ベトナム人材の雇用メリットと注意点
本記事では、外国人労働者が直面する日本とベトナムの文化の違いやギャップを理解し、職場環境を改善する具体的なポイントを解説します!最後までお読みいただければ、異文化理解が深まり、職場でのトラブルを未然に防ぐためのヒントが得られることでしょう。
日本企業が知っておくべきベトナム人の仕事観と国民性

日本とベトナムの仕事・文化の違い
日本とベトナムの仕事文化には大きな違いがあります。日本では、チームワークを重視し、細かい計画や報告を徹底する「報連相(報告・連絡・相談)」の考え方が重要視されています。ベトナムでは、率直なコミュニケーションが好まれ、個人の成果が重視される傾向があります。また、家族を大切にする文化があり、労働者は定時で帰宅することが一般的です。
ベトナム人の性格と国民性
ベトナム人の性格は、日本人に似た一面を持つと言われています。一見、「南国の陽気で開放的」という印象を受けがちですが、実際には「シャイで恥ずかしがり屋」で「勤勉」かつ「真面目」に働く人々が多いです。一度親しくなると笑顔が絶えず、親しみやすさが魅力です。また、日本と同様に礼儀を重んじる文化があり、職場でもその丁寧さが高く評価されています。こうした特徴が、日本企業で多くのベトナム人が活躍している理由の一つです。
一括りにできないベトナム人の性格と地域の特徴
ベトナム人の性格が日本人と似ていると言われる一方で、一括りに説明するのは難しい側面があります。その理由の一つが、ベトナムの独特な地理と地域ごとの文化圏の違いです。

ベトナムは北から南へ細長い地形をしており、北部・中部・南部の3つの地域で文化や気候が大きく異なります。この違いが、人々の性格や生活スタイルにも影響を与えています。
例えば、北部のハノイと南部のホーチミンでは性格や気質に顕著な違いがあります。ハノイは四季のある亜熱帯性気候で、堅実的で貯蓄を重視する人が多い傾向があります。一方、ホーチミンは一年中温暖な熱帯性気候で、陽気で楽天的、消費志向が強い特徴があります。
また、北部は社会主義の影響が色濃く、政治と文化の中心地であり、歴史的建造物や学術的な発展が見られます。対照的に、南部のホーチミンは資本主義の象徴ともいえるビジネスと経済の中心地で、高層ビルや歓楽街が発展しています。同じベトナム国内でも、地域ごとに気候や文化が異なるため、性格や価値観もそれに応じて変化しているのです。

ベトナム人労働者の現状と日本で働く理由
ベトナム人労働者の現状
厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況(2023年10月末時点)によれば、日本で働く外国人労働者数は約204万8,675人で、過去最高を更新しました。その中で、ベトナム人労働者は約51万8,364人と最も多く、全体の約25.3%を占めています。これは前年から約12.1%増加しており、急増傾向が続いています。
在留資格別に見ると、ベトナム人労働者の約40.4%にあたる約20万9,305人が技能実習生です。次いで、資格外活動(主に留学生)の約13万2,000人、専門的・技術的分野の在留資格を持つ約5万9,000人(うち技術・人文知識・国際業務が約5万4,000人)となっています。

ベトナム人が日本で働く理由とは?
ベトナム人が日本で働く理由は、以下の4つに集約されます。
- 親日感情:日本製品への信頼や、日本文化(アニメや漫画)の浸透がベトナム人の親日感情を育んでいます。
- 技術習得の機会:ベトナムでは製造業が発展途上で、日本の高度な技術を学びたいと考える若者が多い状況です。
- 生活環境の良さ:社会保障制度や教育環境が整った日本は、安全で快適な生活が、長期的な滞在を望む理由となっています。
- 給料の差:ベトナムの新卒平均月給は約3万円で、日本の18~25万円に比べると大きな差があります。このため、収入アップを目指す若者が日本での就労を希望しています。
これらの要因が、ベトナム人にとって日本で働く大きな動機となっています。

ベトナム人材を雇用するメリット
若年労働力の確保で将来の人材不足を解消
日本が深刻な少子高齢化に直面する中、ベトナムは生産年齢人口(15~64歳)の割合が高く、豊富な若年労働力を提供できる国です。また、ベトナムでは教育水準が向上しており、若年層が必要なスキルを持った即戦力として期待できます。持続可能な人材確保のためにも、若く意欲的なベトナム人材を雇用することは、長期的な視点から見ても企業の成長を支える要因となります。
学習意欲と柔軟性で企業の成長を支援
ベトナム人労働者は学習意欲が高く、新しいスキルを積極的に学ぼうとする姿勢が特徴です。また、異文化に対する適応力があり、日本のビジネス習慣にも柔軟に対応することができます。
さらに、彼らの向上心は職場全体にも好影響を与えることがあります。既存の日本人スタッフがベトナム人の熱意に触発され、職場全体のモチベーション向上や業務効率の改善につながることも少なくありません。
親日的な国民性と文化的親和性
ベトナムは日本に対して非常に高い好感度を持つ国として知られています。その背景には、日本がベトナムに対して長年にわたり経済援助やインフラ整備を行ってきたことが挙げられます。また、日本のアニメやドラマが広く普及しており、多くのベトナム人が日本文化に親しみを持っています。

ベトナム文化における特徴的な生活習慣・風習
ベトナムの文化には独自の価値観や習慣が根付いています。家族を大切にする価値観が強く、旧正月「テト」などの行事では帰郷や休暇を希望することが一般的です。また、敬意を示す文化があり、年長者や上司への尊敬の念を大切にします。こうした文化を尊重することで、ベトナム人労働者との信頼関係を築くことが可能です。
ベトナムのカフェ文化・食文化(米粉料理)
ベトナムのカフェ文化は都市部で盛んで、路上のシンプルなコーヒーからおしゃれなカフェまで多彩です。「エッグコーヒー」や「ココナッツコーヒー」は甘さと香りで人気を集め、カフェは若者にとって交流や勉強の場としても利用されています。食文化では「フォー」や「バインセオ」が代表的で、米粉を使った料理が多いのが特徴です。これらの料理はベトナム人労働者が親しみやすく、日本人にも新たな味覚体験を提供します。企業がこうした文化を取り入れることで、ベトナム人従業員との交流が深まり、職場の雰囲気の向上につながります。
バイク文化と移動事情
ベトナムではバイクが主要な移動手段であり、通勤や買い物に欠かせない存在です。雨季にはレインコートを着用して移動するなど、生活に密着しています。一方、日本では公共交通機関が発達しており、ベトナム人労働者が初めて来日する際には交通ルールやICカードの利用方法などに戸惑うこともあります。特に時間厳守や満員電車のマナーは事前の説明が効果的です。
朝型生活・昼寝文化
ベトナム人は朝型の生活習慣が一般的で、日の出とともに起床し、公園での運動や市場のにぎわいが日常風景です。また、ランチ後に短時間の昼寝を取る文化があり、集中力回復や作業効率向上に役立っています。一方、日本では昼寝の習慣が少なく、長時間勤務が一般的です。ベトナム人労働者にとっては、この違いへの適応が課題となる場合があります。企業が柔軟な休憩時間やリフレッシュスペースを提供すれば、効率的な労働環境を整えられ、職場全体のパフォーマンス向上に繋がると考えられます。
日本でベトナム人を採用する際の注意点
ベトナム人材を採用する際は、文化や労働環境、法的注意点を理解することが、良好な関係構築の鍵となります。以下では、採用時に押さえておくべきポイントと注意点を詳しく解説します。
契約書の明確化と給与説明の徹底
ベトナム人を採用する際、契約内容を明確に示し、給与の仕組みを正確に説明することが重要です。ベトナムでは契約主義が一般的であるため、雇用契約書を必ず交わす必要があります。
また、日本とベトナムでは総支給額と手取り額の概念が異なることから、明細の内訳を詳しく説明することも不可欠です。税金や社会保険料などの控除項目を事前に理解してもらうことで、トラブルを未然に防ぎます。これらの取り組みによって、ベトナム人労働者に安心感を与え、長期的な信頼関係を築くことができます。
コミュニティ形成と職場環境の配慮
ベトナム人は人間関係を大切にし、仲間意識を持って働く環境を好むため、孤立を防ぐ工夫が必要です。特に、同僚との交流を促進する仕組みを整えることで、職場への適応がスムーズになります。また、相談窓口を設置し、業務や生活の不安を相談できる環境を提供することも重要です。人と人とのつながりを重視した職場作りが、ベトナム人材の活躍を後押しします。
目先の利益を重視しやすい傾向とリスク
ベトナム人労働者は、目先の利益、つまり「現在の収入」を重視する傾向があります。例えば、「将来的に昇進の機会があるが、採用時の年収は低い」といった条件では魅力を感じてもらえないことが多いのが現状です。
また、短期的な利益を求めるあまり、悪徳なブローカーの甘い言葉に乗り、不利な契約を結んでしまうケースもあります。このようなリスクを防ぐためには、採用企業が正しい情報を提供し、公平で適切な給与体系を提示することが重要です。
まとめ
ベトナム人の性格や文化は多様で、一概に「良い労働者」と括ることはできません。中にはトラブルを引き起こす可能性のある人もいます。採用時には個々の特性を見極め、適切なサポートやコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが重要です。採用した人材が企業の成長を支える存在となるよう、慎重かつ戦略的な採用を心掛けましょう。
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この記事の監修者

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。