特定技能 宿泊で解決する人手不足|受け入れ方法と注意点を解説

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・特定技能「宿泊」とは?
・特定技能1号「宿泊」の取得方法
・特定技能「宿泊」を採用する方法は?

宿泊業界が抱える深刻な人手不足。フロント業務や接客、レストランサービスなど、即戦力として活躍できる外国人材をどのように採用し、支援体制を整えるべきなのでしょうか?本記事では、特定技能「宿泊」に関する取得条件や手続きの流れ、実際に受け入れる際のポイントを分かりやすく解説します。これから外国人材の採用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください!

特定技能「宿泊」とは?

特定技能「宿泊」は、宿泊業界で外国人が働くための在留資格です。2019年に創設された特定技能制度の中で、宿泊業は特に人手不足が深刻な分野とされ、この資格が設けられました。これにより、外国人労働者がホテルや旅館でフロント業務、接客、レストランサービスなどに従事できるようになりました。

特定技能「宿泊」は特定技能1号に該当し、最長5年間の雇用が可能です。この制度は、宿泊業界の人手不足を補いながら、サービスの質を維持するために重要な役割を担っています。

特定技能「宿泊」は1号と2号がある

特定技能」には、外国人材の技能に応じて1号と2号の2種類があります。もともと特定技能2号は「建設業」と「造船・舶用工業」の2分野のみが対象でしたが、2023年6月に対象分野が拡大し、「宿泊」分野も追加されました。同年秋から2号取得のための試験が実施され、これにより宿泊業界でも熟練した技能を持つ外国人材の受け入れが可能になりました。

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特定技能対象試験日本語能力在留期間
1号基本的な業務知識と経験を持つ人材特定技能測定試験(1号)日本語能力試験N4以上最長5年、家族の帯同不可
2号熟練した技能を持つ人材特定技能測定試験(2号)日本語能力試験不要更新制限なし、永住申請可能、家族帯同可

特定技能「宿泊」ができた理由

インバウンド需要の増加や労働環境の課題により、宿泊業(旅館やホテルなど)の人手不足が深刻化しています。この課題を解消するために特定技能「宿泊」が創設されました。2023年10月時点で、日本の外国人労働者数は約200万人を超え、前年同期比で12%増加しています。

宿泊業界の人手不足問題

項目割合
宿泊業界で人手不足を感じている企業50.7%(半分以上)
正社員(フルタイム)不足71.1%
アルバイト・パート不足63.8%
宿泊業界全体の離職率14.2%(毎年1割以上辞めている)
若年層の離職率30%(3年以内に辞める割合)

現在、宿泊業界の人手不足は深刻で、特に正社員の不足が71.1%と非常に高い水準にあります。非正社員も63.8%が不足しており、比較的採用が進みやすい非正社員でも状況は厳しいです。

さらに、宿泊業界の年間離職率は14.2%と高水準で、特に若年層の3年以内の離職率が目立っています。これにより、労働環境や待遇の改善が急務となっており、従業員が長く働ける環境作りが求められます。

また、コロナウイルスの影響も依然として残り、感染症への不安や労働条件の変化が多くの従業員の離職につながりました。一度離れた従業員の再確保は難しく、宿泊業界では慢性的な人手不足が続いています。今後も、コロナ後を見据えた対策が必要です。

2024年(令和6年)4月からの5年間で、受け入れ予定人数は23,000人となっており、さらに受け入れを拡大する方針です!

特定技能「宿泊」で従事可能な業務

特定技能「宿泊」では、主に以下の業務に従事することができます。

宿泊業務には、チェックイン・チェックアウトなどのフロント業務やキャンペーン情報の広報、接客、料理の配膳や盛り付けといったレストランサービスなど、幅広い業務が含まれます。

さらに、ベッドメイキングや施設の備品交換といった付随業務も行うことが可能です。ただし、これらは宿泊に関連する業務の補助的な役割として行われる必要があります。

特定技能「宿泊」で従事できない業務

関連業務のみを任せることはできません。ベッドメイキングなどは補助的な業務として行えますが、メインの業務はフロント業務、企画・広報、接客、またはレストランサービスである必要があります。さらに、風俗営業法に該当する施設での勤務や、風営法に基づく接待業務も禁止されています。「特定技能」は「技術・人文知識・国際業務」と比べ、対応できる業務範囲が広い点が特徴です。

雇用は直接雇用のみで、派遣は不可。基本的にフルタイム勤務が求められます。

特定技能1号「宿泊」の取得方法

外国人が特定技能「宿泊」の在留資格を取得するには、いくつかの条件をクリアする必要があります。特定技能1号「宿泊」を取得するための主な要件は以下の2つです。その他の要件についても確認していきます。

取得要件

①一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材であること
②日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有すること

【ステップ①】特定技能評価試験に合格する

まず、特定技能評価試験に合格する必要があります。この試験は、宿泊業に必要な知識を問うもので、学科試験と実技試験に分かれています。実技試験では、以下の5つのカテゴリーについて対応できるかが評価されます。また試験を受けるには、17歳以上で在留資格を持っていることも条件とされております。

試験項目
  • フロント業務
  • 広報・企画業務
  • 接客業務
  • レストランサービス業務
  • 安全衛生その他の基礎知識

特定技能評価試験は日本国外でも実施されており、「宿泊」分野はインド(ゴウハティ除く)、インドネシア、ネパール、フィリピン、スリランカ、ベトナム、ミャンマーで行われています。

【ステップ②】日本語試験に合格する

特定技能「宿泊」を取得するには、日本語能力も必要です。日本語試験には、「国際交流基金日本語基礎テスト」や「日本語能力試験(N4以上)」があり、N4レベルは日常生活で簡単な文章の読み書きができる程度です。

国際交流基金日本語基礎テストは、外国人の日本語能力を評価するテストです。語彙や会話、リスニングなどがあり、250点満点中200点以上得点すると合格です。

【例外】技能実習2号から特定技能「宿泊」へ移行する

特定技能「宿泊」を取得するもう一つの方法は、宿泊分野の技能実習2号から特定技能1号へ移行することです。

技能実習2号は、外国人が日本で専門的な技術や知識を学び、それを母国に持ち帰ることを目的とした制度です。この制度では業務範囲が細かく決まっており、実習生は一定期間日本で働いた後、必ず母国へ帰国する必要があります。しかし、「特定技能」制度の導入により、技能実習から特定技能への移行が可能となり、日本で働き続けることができるようになりました。

技能実習2号を良好に修了している場合、特定技能1号評価試験や日本語能力試験が免除されます。移行に必要な主な要件は以下の通りです。

要件
  1. 技能実習2号を良好に修了すること
  2. 技能実習の職種と特定技能1号の職種が一致していること

特定技能「宿泊」の外国人を採用する方法は?

支援体制の準備

特定技能「宿泊」の外国人材を受け入れるには、事前ガイダンス、日本語学習の支援、住宅の確保、相談・苦情対応など、支援体制を整える必要があります。この支援体制は、自社で構築するか、または「登録支援機関」に委託する方法があります。

自社で支援体制を構築する場合、過去2年間に外国人材の受け入れ実績が求められます。また、外国人材との円滑なコミュニケーションを図るため、通訳を雇う場合もあります。そのため、多くの企業が支援内容の一部またはすべてを登録支援機関に委託する方法を選んでいます。

旅館として営業するための許可

外国人を受け入れる旅館やホテルは、旅館業の許可を取得している必要があります。この許可がない施設では、特定技能「宿泊」の外国人を採用することはできません。また、簡易宿所営業や下宿営業の施設でも特定技能「宿泊」の外国人を雇用することはできないため、注意が必要です。採用を進める前に、施設が適切な許可を持っているか確認することが重要です。

宿泊分野の特定技能協議会に加入

特定技能「宿泊」の外国人材を受け入れる企業は、宿泊分野特定技能協議会への加入が義務付けられています。外国人材を受け入れた日から4か月以内に加入し、在留資格申請の前に手続きを完了する必要があります。この協議会は、特定技能制度を適正に運営し、外国人労働者を保護する目的で国土交通省によって設立されました。加入費用は基本的に無料で負担がありません。

詳しい加入方法については、観光庁のホームページの「宿泊分野特定技能協議会」のページをご確認ください。

まとめ

特定技能「宿泊」の外国人材を受け入れるためには、適切な準備や手続きが必要ですが、不安や疑問を感じている方も多いと思います。リクアジでは、宿泊業界の人手不足解消をサポートするため、特定技能「宿泊」に特化した無料相談を実施中です。経験豊富なスタッフが、貴社の課題に寄り添いながら最適な解決策をご提案いたします。お問い合わせは、ぜひ下記のフォームからお気軽にご連絡ください。貴社のニーズに合わせた丁寧なサポートをご提供します。

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「リクアジ」では、宿泊業界に特化した外国人材の採用支援を行っています。経験豊富なスタッフが、特定技能「宿泊」に関するお悩みや疑問に無料でお答えします。フロント業務や接客、レストランサービスなど、貴社のニーズに合わせた最適な解決策をご提案いたします。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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名前

この記事の監修者

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キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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