
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
・在留カードの重要性について
・偽造カードの見抜き方
・企業が行うべき管理方法
在留カードの確認が外国人雇用の信頼性を守るカギになることをご存じですか?本記事では、偽造カードの巧妙な手口や見抜くポイント、企業が法令遵守を徹底するための具体的な対策を詳しく解説しています。知らないとリスクになる重要なポイントを押さえて、安心して外国人を雇用するための知識を身につけましょう。
在留カード偽造とは?その危険性を理解する
在留カード偽造とは、本物そっくりに作られた偽造カードを使用して不法に働く行為を指します。企業の法的リスクを防ぐため、危険性を理解し対策を講じることが重要です。それでは詳しく見ていきましょう。
そもそも在留カードとは?
在留カードは、日本に住む外国人に交付される身分証明書で、氏名や生年月日、在留資格、在留期間などが記載されています。日本に滞在する外国人は、在留カードを携帯する義務があり、定期的な更新が必要です。このカードは、外国人が日本で合法的に滞在していることを証明する重要な書類であり、雇用時などに必ず確認する必要があります。
偽造在留カードの増加とリスク
外国人が就労する際、企業には在留カードの確認が義務付けられていますが、近年、偽造された在留カードを使った不法就労が増加しています。不法就労が発覚すると、外国人本人だけでなく、企業も「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。特に最近では、精巧に作られた偽造在留カードが横行し、本物との見分けが難しくなっています。
警視庁の発表によると、2023年の偽造在留カード関連の検挙件数は620件に上り、行増加傾向にあります。

参考:令和5年版 犯罪白書

外国人雇用時に必須!在留カードの確認方法
外国人を雇用する際は、以下の3点を確認してください。

出典:出入国在留管理庁
チェック②:就労可能か(不可と記載されてたら原則労働不可)
チェック③:②は不可でも週28時間以内なら働ける可能性があるため、確認。
在留カードに記載されている情報
これらの情報は、外国人の在留状況や就労の可否を確認するために非常に重要です。正確な確認が不法就労防止に繋がるので、必ずチェックしましょう。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 国籍・地域
- 在留資格
- 在留期間の満了日
- 就労制限の有無
- 居住地(登録住所)
- 在留カード番号
- 発行日
- 写真(顔写真)
- 有効期限など
在留カードの有効期限と在留期限が異なる場合があるため、注意が必要です。通常、在留カードの有効期限は在留期限と一致しますが、在留資格変更や期間更新の申請を行うと、入管から結果が通知されるまで、カードに記載された在留期限を2カ月超えても適法に在留できる場合があります。この際、在留カードの裏面に「更新中」と記載されていることが確認ポイントです。
また、永住者には在留期限がないものの、在留カードには7年ごとに更新が必要な有効期限が設定されています。このため、期限切れにならないよう、カードの更新手続きを忘れないことが重要です。
偽造カードでないかの確認する
近年、数千円程度で購入可能な偽造在留カードを所持する外国人が増加しており、企業は採用時に正規の在留カードかどうかを厳密に確認することが求められています。
偽造カードを見抜くためには、以下の3つの方法を活用することが効果的です。
目視で確認するポイント
在留カードが偽造されていないかを確認するには、絵柄の変化やホログラムの動きをチェックすることが有効です。カードを傾けたり、暗い場所で光を当てることで、正規のカードかどうかを確認できます。例えば、「MOJ」の透かし文字が含まれているほか、カードを傾けると左端の色が変化する仕様など、計5つの防止対策があります。

アプリやWEBサイトでの確認方法
出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」を使えば、偽造や改ざんされたカードを確認できます。ICチップを読み取って氏名や在留資格などを画面に表示し、記載内容が正しいかを確認可能です。パソコン版とスマートフォン版があり、用途に応じて選べます。公式Webサイトから無料でダウンロードでき、採用時の確認に役立つ便利なツールです。
在留カード等読取アプリケーション サポートページ|出入国在留管理庁
カード番号が失効していないかを確認
出入国在留管理庁のWebサイト「在留カード等番号失効情報照会」を利用すれば、在留カードの番号が失効していないか確認できます。カードに記載された「在留カード等番号」と「有効期間」を入力するだけで簡単に照会可能です。採用時や定期確認に活用しましょう。

偽造在留カード対策と注意点

不法就労助長罪に問われる可能性
企業が偽造在留カードを所持する外国人を雇用した場合、「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります。偽造であることを知らなかったとしても、確認不足が理由とされることもあるため注意が必要です。この罪に該当すると、企業や担当者には重い罰則が科される可能性があり、企業の信用にも大きな影響を与えます。採用時には必ず在留カードが正規のものであることを厳密に確認し、不法就労を防ぐための対策を徹底しましょう。
在留カードの携帯は必ず原本
在留カードは、外国人が日本での在留資格や身分を証明する重要な書類です。法律では、常に原本を携帯することが義務付けられており、原本を所持していない場合、不法滞在の疑いを持たれる可能性があります。採用時や定期的な確認では、必ず原本を直接確認することが重要です。コピーや写真だけを頼りにすることは避け、本人の所持する原本で確認することで、偽造や不備を未然に防ぎましょう。
採用する場合は在留カードのコピーをとる
採用時には、在留カードの原本を確認したうえで、必ずコピーを取って保管しておきましょう。コピーは、雇用契約を証明する書類としてだけでなく、後から在留資格や就労制限を確認する際にも役立ちます。また、更新や変更時にデータを比較できるため、不法就労のリスクを軽減できます。ただし、コピーを取る際は、個人情報保護に配慮し、適切に管理することが求められます。

在留カードの管理と更新:企業が気をつけるべきこと
在留カードには有効期限があり、雇用する外国人が期限内に更新手続きを行うことが求められます。更新を怠ると、在留資格の有効期限も切れる可能性があり、企業が不法滞在者を雇用したとみなされるリスクがあります。特に雇用者にとっては、期限切れを防ぐための管理が重要です。
在留カードの更新手続き
更新手続きは在留期間満了日の3カ月前から可能です。早めに申請を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。更新には申請書や必要書類を準備し、審査は約2週間から1カ月で完了するのが一般的です。新しい在留カードの発行には4,000円(収入印紙)が必要です。
また、永住者の場合でも在留カードの有効期限は存在します。期限切れのカードでは身分証明書として使用できなくなるうえ、携帯義務違反となる可能性があります。企業は、永住者であっても在留カードの有効期限を把握し、適切な更新が行われるようサポートすることが推奨されます。
紛失時の対応方法と再交付手続き
在留カードを紛失した場合、迅速に対応することが重要です。まず、最寄りの警察署で紛失届を提出し、遺失物届出証明書を受け取ります。その後、管轄の入管に申請書、遺失物届出証明書、顔写真、パスポートを持参して再交付を申請してください。通常、その日のうちに再交付を受けられ、費用はかかりません。また、法律では紛失後14日以内に申請することが義務付けられています。早めの対応を心がけましょう。
まとめ
在留カードの偽造問題は企業にとって重大なリスクを伴いますが、適切な確認と管理を徹底することで防ぐことが可能です。本記事では、在留カードの基本情報から偽造対策、更新や紛失時の対応までを詳しく解説しました。外国人雇用を成功させるためには、法令遵守と継続的な管理が不可欠です。正しい情報と適切な対策をもとに、安全で信頼性の高い雇用環境を築きましょう。
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この記事の監修者

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。