フィリピン人労働者の特徴:採用のメリット・注意点を徹底解説

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・フィリピン人労働者の特性
・採用時の注意点と成功のためのポイント
・採用に必要な手続きと法的注意点

日本企業での外国人材採用が進む中、フィリピン人労働者が注目されています。高い英語力や日本文化への理解が特徴で、多様な職場で活躍。本記事では、その魅力や採用のポイントを解説します。

なぜフィリピン人労働者が注目されるのか

フィリピン人労働者は、深刻化する日本の労働力不足を補う重要な存在として注目を集めています。介護や医療分野では、フィリピン人の高い適性と日本での就労に対する積極的な姿勢が評価されています。英語力や親日的な国民性も大きな強みです。

日本での外国人労働者の実態と、フィリピン人材が選ばれる具体的な理由について詳しく見ていきましょう。

日本での外国人労働者の現状

アジア人材採用メディアリクアジ 外国人労働者の日本語教育と課題解決のポイント

参考資料

令和5年10月末現在、日本の外国人労働者数は204万8,675人に達し、過去最高を記録しています。深刻な人手不足に直面する日本では、多くの業種で外国人材への需要が急速に高まっています。

国籍別に見ると、ベトナム人が最も多く、次いで中国人、3番目にフィリピン人が続いています。フィリピン人労働者は約22万6,846人で、全体の11.3%を占めており、主な国籍の中で最も高い増加率を示しています。

また、フィリピン人労働者の約70%が「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」といった安定した在留資格を持っています。これにより、日本人と同じ条件で働くことが可能となり、長期的かつ安定した雇用が期待できます。

こうした背景から、フィリピン人労働者の存在感は年々高まっており、今後も日本の労働力不足を補う重要な人材として注目されています。

フィリピン人労働者が企業に選ばれる理由

フィリピン人労働者が日本企業から選ばれる主な理由は、高い英語力とグローバルな視点です。

フィリピンは英語とフィリピノ語を公用語としており、人口の9割以上が英語を使用します。教育も英語で行われるため、ビジネスでの英語コミュニケーションに優れています。このため、海外顧客との対応や社内の国際化を目指す企業にとって、フィリピン人労働者は非常に魅力的な存在です。

また、フィリピンは親日国として知られ、日本文化への理解が深いことも強みです。日本のアニメやマンガ、食文化が広く普及しており、多くのフィリピン人が日本に親しみを感じています。この文化的親和性により、職場環境への適応がスムーズで、日本人従業員とも良好な関係を築きやすいとされています。

さらに、フィリピン人は温暖な気候の影響もあり、フレンドリーで明るい性格の人が多いと言われています。この特性は、ホスピタリティが求められる接客業や介護職などの対人サービス業で特に活かされます。

フィリピン人労働者の特徴

フィリピン人労働者は、日本の職場環境に適応しやすい特性を持っています。仕事に対する真面目な姿勢協調性の高さは、多くの雇用主から高く評価されています。

以下では、フィリピン人の仕事における特徴と、文化的背景に基づく特性について詳しく解説します。

仕事における特徴

フィリピン人労働者の最大の特長は、真摯で献身的な働きぶりと優れたコミュニケーション能力です。

仕事への取り組み方では、与えられた職務に対して強い責任感を持ち、真面目に取り組む姿勢が特徴です。雇用主や上司に対する忠誠心も強く、信頼関係を大切にする傾向があります。

一方で、時間管理や計画性については、日本の基準からすると課題となる場合があります。一度に複数の仕事を遂行するのは苦手な傾向があり、丁寧に1つずつ取り組むスタイルを好むため、業務配分や指示の仕方に工夫が必要です。

フィリピン人の文化的背景と特性

フィリピン人の特性を理解する上で最も重要なのは、強い家族愛と宗教的な価値観です。フィリピンでは家族が社会の中心であり、親戚を含む大家族を支え合う文化が根付いています。多くの人が家族のために海外で働き、仕送りを行うため、職場でも家族を優先する場面があります。

フィリピンはアジアで唯一のキリスト教国として知られ、国民の約90%以上がキリスト教徒です。カトリックの信仰が強く、宗教的背景から生まれる倫理観や道徳心が、仕事における誠実さや他者への思いやりとして表れています。キリスト教の博愛精神は、優れたホスピタリティとなって接客や介護の場面でも活かされているのです。

スペインやアメリカの統治を経験したフィリピンは、多文化を受け入れる柔軟性が身についており、この寛容性は日本の職場環境への適応を後押ししています。

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フィリピン人労働者を活かす方法

フィリピン人労働者の活用には、適切な配置と効果的なマネジメントが重要です。フィリピン人の強みを活かせる職場環境を整備し、文化的な違いにも配慮した受け入れ体制を構築しましょう。

以下では、フィリピン人材が活躍できる主な分野と、雇用を成功に導くためのポイントについて解説します。

フィリピン人労働者の活躍分野

フィリピン人労働者は、主にサービス業、製造業、介護分野でその特性を発揮しています。

サービス業では、優れた英語力とホスピタリティを活かし、ホテルやレストランでの接客、コールセンターでのカスタマーサポートなどで高い評価を得ています。インバウンド観光の増加に伴い、外国人観光客への対応が求められる場面で、能力を発揮する存在です。海外からの顧客とスムーズにコミュニケーションを取れることが、大きな強みです。

介護・医療分野では、思いやりのある性格と献身的な働きぶりが評価され、介護・医療分野での需要が急増しています。家族を大切にする文化が高齢者ケアにも活かされており、特定技能や専門知識を持つ人材も増加しています。

製造業においても、真面目で責任感の強い働きぶりが高く評価されています。細かな作業を要する製造現場では、丁寧な仕事ぶりと集中力の高さが強みです。技能実習制度や特定技能制度によって、技術を習得しながら働く人材も増加傾向にあります。

活躍するためのポイント

フィリピン人労働者を職場で活躍させるためには、言語面でのサポートが必要です。フィリピン人は英語が得意ですが、日本語で業務を進める上では、分かりやすい指示が求められます。そのため、重要な書類や掲示物は日本語と英語の両方で表記すると良いでしょう。また、日本語に慣れているフィリピン人の従業員がいれば、その方をメンターとして新しい従業員をサポートさせることで、職場に馴染むスピードが上がります。

次に、文化的な特性を考慮した配慮も重要です。フィリピン人は自尊心が強く、人前で叱責されることを嫌う傾向があります。そのため、指導が必要な場合は、個室で1対1の環境で行うことを心がけましょう。これにより、相手に不快感を与えずに的確な指導ができます。

さらに、仕事の指示を一つずつ明確に伝えることも大切です。フィリピン人は、一度に複数の業務を任されると戸惑うことがあるため、優先順位を示しながら段階的に業務を任せるとスムーズに進められます。

フィリピン人労働者を採用するメリットと注意点

フィリピン人労働者の採用には、企業に多くのメリットがありますが、慎重に検討すべき課題も存在します。優秀な人材確保や職場の多様性といった利点がある反面、言語や文化の違いへの対応も不可欠です。

以下では、採用のメリットと、注意すべきポイントについて解説します。

メリット

フィリピン人労働者を雇用することの最大のメリットは、質の高い労働力の確保と、安定した人材供給にあります。

フィリピンの人口は約1億1,000万人で増加しており、平均年齢は約26歳です。フィリピンの豊富な若年労働力は、日本の人手不足を補う重要な存在です。

フィリピン人労働者は、失踪率が他の国籍と比べて極めて低いことも特徴です。フィリピン政府が海外労働者の保護に力を入れており、正規のルートでの就労が徹底されています。企業は、長期的な人材育成が可能となり、安定した事業運営につながります。

フィリピンの平均月収は約2万円と賃金格差が大きく、労働者は日本での就労に強い意欲を示しています。

注意点

フィリピン人労働者を雇用する際に最も重要なのは、文化的な配慮です。

まず、時間感覚の違いに注意しましょう。フィリピンでは「フィリピンタイム」と呼ばれる時間にルーズな文化が一般的です。これを改善するには、継続的な指導とルールの明確化が必要です。また、計画性が不足しがちな場合があるため、業務の進捗管理を徹底することが求められます。

さらに、家族を重視する価値観を理解することも不可欠です。家族の緊急事態による突然の休暇申請がある場合に備え、柔軟に対応できる体制を整えることが重要です。

フィリピンではエージェントを介さない直接雇用は禁止

フィリピン人労働者を雇用する際は、法律に基づいた手続きが必要です。特に以下の点に注意しましょう。

注意点

現地エージェントの利用が必須
2017年8月以降、フィリピンではPOEA(フィリピン海外雇用庁)認定の現地エージェントを介さない直接採用が禁止されています。

POEAとPOLOの手続き
雇用に際しては、POEA認定エージェントを介した手続きに加え、POLO(フィリピン労働事務所)での審査や面接が必要です。

手続き期間の目安
これらの手続きには通常4〜6ヶ月程度かかります。

日本在留者の場合
日本に在留しているフィリピン人を雇用する場合でも、一部の在留資格を除き、同様の手続きが必要

フィリピンの独自ルールを理解し、適切な手続きを行うことで、安心して労働者を迎え入れることができます。

フィリピンでは国民の約10%が海外で働いているため、管理と監督が重要視され、独自の雇用ルールが整備されています。

まとめ

フィリピン人労働者の活用は、日本の労働力不足解消に向けた重要な解決策です。高い適性や真面目な勤務態度、文化的親和性が魅力で、介護や製造業では多くの成功事例が実証されています。

今後は、より多くの企業がフィリピン人労働者の採用に関心を示すことが予想されます。ここで紹介した知識や事例を参考に、自社に適した形での人材活用を検討してみてはいかがでしょうか。適切な準備と運用により、有意義な成果が得られるはずです。

フィリピン人材採用について相談する

フィリピン人労働者の採用に関心をお持ちの企業様へ。高い英語力や親日的な特性を持つフィリピン人材は、多様な職場で活躍しています。採用の流れや注意点、具体的な活用事例について、わかりやすくご案内いたします。まずはお気軽にお問い合わせください!貴社のニーズに最適な人材採用をサポートします。

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名前

この記事の監修者

プロフィール画像
キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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