
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
・在留カード紛失時のリスクの理解
・再交付の具体的な手続き方法
・外国人社員をサポートするための実践的な方法
在留カードを紛失すると、罰則や個人情報の悪用リスクが伴い、外国人社員の日常生活や業務にも大きな影響を及ぼします。企業として、迅速かつ適切な対応を行うことが求められます。この記事では、紛失時のリスクや手続きの詳細、企業が取るべき具体的なサポート方法について徹底解説します。
在留カードを失くしたらまず何をすべき?

在留カードを紛失した場合は、早急に対応することが重要です。まず、最寄りの警察署や交番で紛失届を提出し、証明書を受け取ります。その後、14日以内に入国管理局で再交付申請を行いましょう。紛失中はパスポートを代わりに携帯し、不測の事態に備えることをおすすめします。
紛失した場合のリスク:罰則や影響
在留カードを紛失した場合、まず最も注意すべきは法律に基づく罰則です。在留カードは日本での身分証明書としての役割を果たしており、常時携帯が義務付けられています。そのため、カードを紛失して再交付申請を怠った場合、最大で20万円の罰金や1年以下の懲役が科される可能性があります。
さらに、紛失により個人情報が悪用されるリスクも高まります。例えば、なりすましによる詐欺や不正な契約に利用される恐れがあり、多額の請求が発生するケースもあります。また、再交付手続きを行わない場合、銀行口座の開設や公共サービスの利用が制限されるなど、日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

在留カードを紛失した場合の再交付手続き

日本で紛失してしまった場合の手順
まずは、日本国内で紛失してしまった場合の手順について解説します。
在留カードを紛失したら、まず最寄りの警察署で速やかに紛失届を提出しましょう。警察で発行される遺失届出証明書や盗難届出証明書は、後の再交付申請に必要となります。
次に、警察で受け取った遺失届出証明書を持参し、居住地を管轄する入管で再交付申請を行います。住んでいる地域を管轄する入管で手続きを進めましょう。
※ 参照:地方出入国在留管理官署|出入国在留管理庁
再交付申請が承認されると、通常はその日のうちに新しい在留カードが交付されます。ただし、混雑状況により待ち時間が長くなる場合もあるため、時間に余裕を持って手続きに臨みましょう。
パスポート
遺失届出証明書または盗難届出証明書:警察署や交番で発行されたもの。
顔写真:サイズ:縦4cm×横3cm
海外で紛失してしまった場合の対処法
海外で在留カードを紛失しても基本的に流れは同様です。まずその国の警察署で紛失届を提出し、紛失を証明する書類を発行してもらいましょう。この証明書は、日本に戻った後の再交付申請で必要になります。
帰国後は、現地の警察署で受け取った紛失証明書とその日本語訳を準備し、14日以内に再交付申請を行います。
再入国許可を持っている場合、パスポートがあれば日本に帰国することは可能です。ただし、航空会社が搭乗を拒否する可能性があるため、「再入国許可期限証明書」を事前に取得しておくと安心です。この証明書は、日本国内の家族や友人、雇用先の担当者が入管で取得し、海外の本人に送付する必要があります。
代理人でも再交付申請はできる?
再交付申請は、本人以外でも行うことが可能です。
法定代理人:申請者が未成年の場合、その親権者など
親族:配偶者や親、子などの近い親族が代理人
所属機関の職員:雇用先の会社や所属機関の担当者が代理人
行政書士や弁護士:出入国在留手続きに詳しい専門家
再交付にかかる時間と手数料は?
基本的には、当日中に新しい在留カードが貰えます。
通常1時間以内に完了することもありますが、窓口の混雑状況によっては待ち時間が長くなる場合があるため、時間に余裕を持って手続きを進めましょう。受付時間は9時~16時ですが、地域によっては昼休み対応不可の場合があります。
手数料については紛失や盗難などによる再交付には手数料はかかりませんが、カードの交換を希望する場合は1,600円が必要です。事前に必要書類を確認し、スムーズに手続きを進めましょう。

企業向け:外国人社員へのサポート方法
紛失時に企業がすべき具体的な対応
外国人社員が在留カードを紛失した場合、企業が適切にサポートすることが重要です。具体的には、警察署での紛失届の提出方法や必要な書類、入管での再交付申請の流れについて説明します。また、再交付手続き中はパスポートを携帯する必要があることを伝え、不測の事態に備えるようアドバイスすることも大切です。
必要に応じて外国人社員に同行し、日本語に不慣れな場合や手続きの流れが複雑で戸惑う可能性がある場合には、企業の担当者が一緒に行動することで社員の不安を軽減できます。
再交付手続きへの支援と注意点
企業が再交付手続きのサポートを行う場合は、事前に手続きの詳細を確認し、必要書類に不備がないよう準備を整えることが重要です。
また、企業が代理で手続きを行う場合、法的要件を満たすために委任状の取得が必要です。この際、社員の署名と捺印が正確であることを確認してください。さらに、手続きの進行状況を随時共有し、社員が安心して手続きの結果を待てるよう配慮することも大切です。不備や遅延が発生すると、社員の在留資格更新などに影響を与える可能性があるため、細心の注意を払って手続きを進める事が重要です。
在留カードの携帯義務が免除される場合
通常、外国人は在留カードを常時携帯する義務がありますが、例外的に免除される場合があります。
再交付手続きが完了するまでの間はパスポートを代わりに携帯することで義務を果たせるとされています。ただし、免除が適用される場合でも、証明書類や状況を説明するための書類を準備しておくことが推奨されます。
- 16歳未満の未成年者
- 特別永住者
- 災害や盗難などによる一時的な紛失
企業としては、社員が携帯義務を果たせるよう、再交付手続きや代替証明の取得を支援することが重要です。このようなサポートにより、外国人社員が法律を遵守しながら業務に集中できる環境を整えることができます。

まとめ
在留カードの紛失は外国人社員にとって大きなリスクを伴いますが、企業が適切なサポートを行うことでその影響を最小限に抑えることが可能です。警察への紛失届や入管での再交付申請手続きの流れを事前に把握し、必要書類の準備や手続きの同行など、社員を安心させる支援体制を整えましょう。これにより、社員との信頼関係を築き、企業全体の労働環境の向上にも繋がります。外国人社員が安心して働ける職場づくりは、企業にとっても重要なステップです。
外国人社員のサポートを相談する
外国人社員の在留カード紛失時、企業として適切に対応するための具体的なサポート方法をご案内します。不明点や手続きの進め方に関するご相談もお気軽にお問い合わせください。専門的なアドバイスを通じて、安心して社員を支援できる体制づくりをお手伝いします。
この記事の監修者

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。