日本語能力試験(JLPT)とは?採用担当者が知るべき試験概

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・日本語能力試験(JLPT)の概要
・試験結果の活用方法と注意点
・具体的な活用事例

外国人採用を検討する際に欠かせない日本語能力試験(JLPT)。その重要性は増すばかりですが、「具体的にどう活用すれば良いのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?本記事では、JLPTの基本情報から最新データ、採用時の注意点までを徹底解説します!

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日本語能力試験(JLPT)とは

日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない方々の日本語能力を評価・認定する試験で、国際交流基金と日本国際教育支援協会によって運営されています。受験者数は増加し、2023年の最新データによれば、年間140万人以上が受験するまでに成長しました。

参考資料はこちら

試験は毎年7月と12月に世界各地で実施され、試験内容はN1からN5の5段階で構成されています。JLPTは就職や資格取得に有利で、外国人労働者の採用時に日本語能力を客観的に評価する指標として活用されています。

【2024年最新】受験者数と合格率データ

2024年の日本語能力試験(JLPT)では、国内受験者数は265,848人海外受験者数は414,605人にのぼりました。国内の合格率は37.7%、海外の合格率は40.8%と、海外の方がやや高い結果となりました。詳しいデータを見ていきましょう。

国内で受験した場合

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レベル受験者数認定者数合格率 (%)
N144,469人14,021人31.5%
N269,779人23,391人33.5%
N385,232人32,825人38.5%
N462,061人27,385人44.1%
N54,307人2,662人61.8%
合計265,848人100,284人37.7%

海外で受験した場合

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レベル受験者数認定者数認定率 (%)
N173,471人25,251人34.4%
N2101,383人42,184人41.6%
N391,919人38,967人42.4%
N494,992人36,822人38.8%
N552,840人25,924人49.1%
合計414,605人169,148人40.8%

日本語能力試験の全5レベル:難易度と特徴

日本語能力試験(JLPT)は、「N1」から「N5」までの5段階のレベルに分かれており、数字が小さいほど難易度が高くなります。最難関のN1は高度な日本語運用能力を問われ、N5は基礎的な日本語力を測定します。以下に詳しく解説していきます。

N1:幅広い状況で使える最上級の日本語スキル

N1レベルは、日本語能力試験の中で最も難易度が高く、高度な日本語運用力が求められるレベルです。このレベルは、専門的な知識を活かす「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で求められることが多く、特に高度なスキルを持つ外国人材が日本で働く際の重要な基準となります。

例題

ひらめきくん

正解:③推測です。日本人でも間違える方はいるぐらい難しい問題です。

N2:日常・ビジネス場面で必要な日本語の理解力

N2レベルは、日常生活やビジネスの場面で必要な日本語を理解する力が求められるレベルです。具体的には、ニュースや職場での会話、少し専門的な内容を含む文章を正確に読み取り、聞き取る力が評価されます。このレベルは、「特定技能」や「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で求められることが多くあります。

例題

ひらめきくん

正解:④収集です。転職市場では、N2を求める企業様が多い状況です。

N3~N5:基礎的な日本語力の段階的習得

N3~N5レベルは、日本語の基礎力を段階的に習得するためのレベル設定です。N3は日常生活で使われる日本語をある程度理解できるレベルで、日常会話を読み書き・聞き取れる力が求められます。N4は基本的な日本語を理解できる初級レベルで、簡単な会話や短い文章の理解が目標です。N5は最も易しいレベルで、あいさつや簡単な単語・フレーズを理解する基礎力を測ります。「特定技能」の取得には、N4の取得が必須になっております。

例題

N3:山本さんは、クラスの代表に選ばれた。
1.たいひょう、2.だいひょ、3.だいひょう、4.たいひょ

N4:にもつをおくる。
1.近る、2.辺る、3.逆る、4.送る

N5:あのほてるはゆうめい
1.ホラル、2.ホテル、3.ホラハ、4.ホテハ

出題:日本語能力試験 JLPT

日本語能力試験(JLPT)の試験内容

JLPT(日本語能力試験)は、「言語知識」「読解」「聴解」の3つの分野で日本語能力を評価する試験です。レベルに応じて求められるスキルが異なるため、適切な対策を行いましょう。

引用:レベル別得点区分と得点の範囲

受験料は、日本国内で7,500円(税込)に改定されました。海外は各国で異なり、韓国では約4万ウォン、タイでは約1,000バーツとなります。

日本語能力試験(JLPT)を活用する際の注意点

日本語能力試験は、日本語力を測る指標として有効ですが、「話す」「書く」能力は評価されないため、面接や業務テストを併用して実務能力を確認することが大切です。また、JLPTの合格証明は有効期限がないため、現在の日本語力が合格時と一致しない場合もあります。

日本語会話力とのギャップを理解

日本語能力試験(JLPT)は、読解力や聴解力を測る重要な指標ですが、会話力を直接評価する試験ではありません。そのため、試験で高得点を取得していても、実際のビジネスや日常会話の場面でスムーズにコミュニケーションを取れない場合があります。特に、JLPTがマークシート方式で行われるため、筆記や選択肢形式の問題に強い受験者が有利になりますが、スピーキングや対話スキルが十分に測れないのが現状です。

そのため、JLPTの結果は日本語力の目安として活用しつつ、実際の会話力やコミュニケーション能力は面接や実技試験で確認することが重要です。職場に必要な日本語レベルを明確にし、採用基準を柔軟に設定することで、採用機会を広げることができます。

証明書の確認と合格基準の理解

日本語能力試験(JLPT)に合格している外国人を採用する際には、「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」を確認することが重要です。この証明書には、合格したレベルや受験日、総合得点、さらに「言語知識」「読解」「聴解」の各分野の得点が記載されています。

例えば、N4では総合得点180点中90点以上が合格基準ですが、90点での合格者と満点の合格者では日本語能力に差があることが考えられます。また、特定技能の在留資格申請時にはこの証明書が必要ですが、技能実習生から移行する場合は特定技能試験が免除されるため、JLPTの資格を持っていないケースもあります。

合格点・得点範囲

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レベル合格点言語知識読解聴解
N1100点(180点中)60点(基準値:19点)60点(基準値:19点)60点(基準値:19点)
N290点(180点中)60点(基準値:19点)60点(基準値:19点)60点(基準値:19点)
N395点(180点中)60点(基準値:19点)60点(基準値:19点)60点(基準値:19点)
N490点(180点中)120点(基準値:38点)60点(基準値:19点)試験なし
N580点(180点中)120点(基準値:38点)60点(基準値:19点)試験なし
注意点:基準値について

例)N1は、合格するには総合得点100点以上が必要ですが、言語知識、読解、聴解のどれかが19点未満だと、不合格になります。

在留資格ごとに求められるJLPTレベルの目安

日本語能力試験(JLPT)は、在留資格の取得や更新で日本語力の目安として使われます。例えば、技能実習生にはN4、特定技能では業務に応じたN4~N3程度が求められる場合が多いです。

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在留資格求められるJLPTレベル具体的なポイント
技能実習生N4以上日常会話や業務に必要な基本的な日本語能力。
特定技能1号N4以上業務内容を理解するための基礎的な日本語力が必要。
留学ビザN5~N2進学先や入学条件により幅がある。大学ではN2以上が一般的。
技術・人文知識・国際業務N2以上業務内容や職種によるが、高度な日本語力が必要な場合が多い
ひらめきくん

採用後の日本語教育も重要です。ぜひ併せてご確認ください!

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日本語能力試験の申し込み方法

日本語能力試験(JLPT)は、年に2回(7月と12月)実施されており、試験に参加するには事前申し込みが必要です。以下の手順を参考にして、スムーズに申し込みを進めましょう。

STEP
公式サイトを確認

JLPT公式サイト(日本語能力試験公式)にアクセスし「My JLPT」に登録

STEP
申し込みアカウントの登録

登録が完了すると、マイページが作成され、試験を受けるレベル(N1~N5)を選択。
希望する試験会場を指定。

STEP
受験料の支払い

支払い方法はクレジットカード、コンビニ払い、または銀行振込が選べます。
支払いが完了すると、申し込みが正式に受理されます。

日本語能力試験が受験可能な国と地域

日本の試験会場においては、全国47都道府県で行われます。ただし、試験会場は応募状況などによって調整され、隣接都府県の会場になる場合もあります。また、JLPTは世界各地でも実施されています。以下は2024年の主な実施地域です。

海外での試験実施国

東アジア:韓国、中国、モンゴル、台湾

東南アジア:インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス

南アジア:インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、モルディブ

大洋州:オーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィジー、マーシャル諸島

北米:カナダ、アメリカ

中南米:コスタリカ、メキシコ、アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、コロンビア、チリ、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、ボリビア

西欧:アイルランド、イタリア、イギリス、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル

東欧:アゼルバイジャン、アルメニア、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、ジョージア、スロベニア、セルビア、タジキスタン、チェコ、トルクメニスタン、ハンガリー、ブルガリア、ベラルーシ、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モルドバ、ルーマニア、ロシア

中東:イスラエル、イラン、カタール、サウジアラビア、トルコ

北アフリカ:アルジェリア、エジプト、スーダン、チュニジア、モロッコ

アフリカ:ガーナ、ケニア、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ベナン、マダガスカル、南アフリカ

まとめ

日本語能力試験(JLPT)は、日本語力を客観的に評価するための重要な指標であり、外国人採用においても大いに活用されています。ただし、試験結果はあくまで一つの目安に過ぎず、実際の業務能力やコミュニケーション力を総合的に評価することが必要です。本記事を参考に、外国人採用の計画をスムーズに進め、適切な人材確保に役立ててください。

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この記事の監修者

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キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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