就労ビザ申請の流れを解説!定義や概要、不許可理由も言及!

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外国人雇用を本音で語る「リクアジ編集部」の上田です!本日は、元行政書士の監修による信頼性の高い情報をもとに、外国人雇用に関するトピックを分かりやすく解説します。

・就労ビザとは?
・12の就労ビザで上陸許可基準が適用される
・就労ビザが不許可となる理由

2023年(令和5年)の就労ビザ発給件数は、346,759件で、毎月平均28,500人の外国人が日本で働くために在外公館に申請し、就労ビザを取得して入国を果たしているといえます。

しかし、就労ビザ取得は即日ではなく、審査などに時間がかかるうえ、不許可となる場合もあります。そこでこの記事では、就労ビザ申請の流れや不許可理由などについても解説していきます。

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就労ビザの定義(就労ビザとは?)

出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)19条によって定められた、日本国内で外国人の方が働く、その対価となる収入や報酬を得られる活動を認めている「在留資格」のことを、就労ビザとしています。

ビザは日本語で表記すると「査証」となり、本来ビザは在外日本大使館・領事館などから交付される査証のことを表しています。

しかし査証は、在留資格認定証明書を得られなければ申請自体が不可であることと、ビザと言えば一発で海外の方も理解できることから、就労ビザ=就労可能な在留資格という意味合いで使われているようです。

ひらめきくん

【補足】
出入国管理庁は就労資格、外務省は就業ビザと表記しており、公的機関の案内文では「就労ビザ」という表現は確認されていません。

就労ビザは2パターン16種ある

就労ビザには次の2パターンがあります。

上陸許可基準なし…4の在留資格(教授・芸術・宗教・報道)
上陸許可基準適用…12の在留資格

就労可能な在留資格の多くに上陸許可基準が適用されることが、一般的に就労ビザの取得が難しいとされている所以ではないかと思われます。

12の在留資格や上陸許可基準について、章を変えて解説します。

2023年には34万人以上が、審査をパスしており、基準自体はそう厳しいものであるとは言い切れません。

上陸許可基準の適用を受ける在留資格12

入管法別表第一の二に示されている在留資格で、これらは出入国在留管理庁で上陸許可基準を満たしているかどうかの審査を受けることになります。

12の在留資格
  • 医療
  • 介護
  • 企業内転勤
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 技能
  • 技能実習
  • 教育
  • 経営・管理
  • 研究
  • 興行
  • 特定技能
  • 法律・会計業務
  • 高度専門職(高度専門職ビザ)

ちなみに、2024年6月末時点での在留外国人の数は約358万人で、技能実習約42万人技術・人文知識・国際業務約39万人と、多くの方が就労ビザを取得して中長期滞在しています。

次章では、上記の就労ビザについて解説いたします。 

上陸許可基準の適用を受ける在留資格12詳細解説

医療

医師、歯科医師、看護師として法律上、有効な資格を保有する外国人が日本で医療に従事する場合に取得可能な就労ビザです。

介護

介護福祉士として介護、介護指導業務に従事する活動をしようとする外国人が取得できる就労ビザです。

企業内転勤

外国の事業所から日本の事業所(本店・支店など)に転勤しようとする外国人が取得できる就労ビザです。

技術・人文知識・国際業務

技人国と略されることも多いのですが、日本にある機関(公私かかわらず)との契約に基づき、次の分野の技術もしくは知識を要する業務、外国文化に基盤を有する思考や感受性を要する業務に従事しようとする外国人が取得できる就労ビザです。

理学/工学/自然科学/法律学/経済学/社会学/人文科学

技能

調理師、指導者、操縦者、職人など日本にある機関(公私かかわらず)との契約に基づき、産業上熟練した技能を要する特殊分野業務に従事しようとする外国人が取得できる就労ビザです。

技能実習

技能実習生に付与される就労ビザで、1~3号、企業単独型のイと団体監理型のロに分かれています。

教育

語学教師など。国内にある中学校や高等学校などの先生として赴任するために、入国しようとする外国人が取得可能な就労ビザです。

経営・管理

企業などの経営者・管理者として貿易、その他の事業を行う外国人に認められる就労ビザです。

研究

政府関係機関や民間企業などの研究職として活動する外国人が、取得可能な就労ビザです。

興行

日本で俳優、歌手、ダンサーといった興行、芸能活動に従事する外国人が取得できる就労ビザです。

特定技能

2019年4月にスタートした、比較的新しい在留資格で、日本において人材確保が難しいとされている16の特定産業分野において、企業が受け入れようとする一定の専門性・技能を有した外国人に付与される就労ビザです。

法律・会計業務

外国法事務弁護士や外国公認会計士など法律上、有効な資格保有者として法律・会計業務に当たる外国人に認められる就労ビザです。

【参考】高度専門職(就労ビザに該当しません)

高度かつ専門的な能力がある外国人人材で、法務省令で定めた基準適合者が日本の学術研究や、経済発展に寄与すると見込まれる場合に付与されるのが、高度専門職ビザです。

高度な研究、技人国、経営・管理といった活動が認められ、1号と2号があります。

高度専門職1号(在留期間5年)は、複合的な在留活動や配偶者の就労、一定要件下で親の帯同なども許容されているのですが、高度専門職2号になるとさらに優遇され、ほぼ全ての就労資格の活動が可能となるほか、在留期間も無期限となります。

次章では就労ビザの有効期間など概要について、説明していきます。

就労ビザの概要

就労ビザの有効期間

在留資格ごとに、以下の有効期間が付与されます。

在留資格在留期間
医療5年、3年、1年又は3月
介護5年、3年、1年又は3月
企業内転勤5年、3年、1年又は3月
技術・人文知識・国際業務5年、3年、1年又は3月
技能5年、3年、1年又は3月
技能実習1号法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲)
技能実習2号法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない範囲)
技能実習3号法務大臣が個々に指定する期間(2年を超えない範囲)
教育5年、3年、1年又は3月
経営・管理5年、3年、1年、6月、4月又は3月
研究5年、3年、1年又は3月
興行3年、1年、6月、3月又は30日
特定技能1号法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲)
特定技能2号3年、1年又は6月
法律・会計業務5年、3年、1年又は3月

就労ビザの更新回数

技能実習などは制度上、最長在留期間が決められており、同一の在留資格で更新できる回数に限りがあります。

一方で技術・人文知識・国際業務については、更新上限の定めがありません。そのため通算5年以上の滞在も可能です。

就労ビザに適用される上陸許可基準

ここまで詳細をお伝えしてきた医療・介護などの就労ビザを取得するためには、まず以下の上陸許可基準を満たす必要があります。

上陸許可基準
  • 申請に係る活動(我が国で行おうとする活動)が偽りのものでないこと
  • 我が国で行おうとする活動が、入管法に定める在留資格のいずれかに該当すること
  • 上陸許可基準のある在留資格については、その基準に適合すること
  • 滞在予定期間が、在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること
  • 入管法第5条に定める上陸拒否事由に該当しないこと

引用:出入国在留管理庁

これらに加え、有効な旅券(パスポート)及び日本国領事官などが発給した有効な査証(ビザ)を所持していることも求められます。

就労ビザと留学ビザ

就労ビザ以外に実は、日本で外国人が働くことができる在留資格があり、留学ビザを持つ方は出入国在留管理官署に申請し、資格外活動許可を得ることで週28時間以内のアルバイトなどで収入を得ることが可能となります。

留学ビザは、国内の4年制大学や日本語学校などで学ぶ外国人に付与される在留資格で、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の令和5年度の実態調査によると、留学生7,867人の65.2%がアルバイトに従事していたことがわかっています。

資格外活動許可は包括許可という性質で、アルバイト先が変わっても届出は不要ですが、就労ビザは、届出が必要です(詳細は後述)。

就労ビザ申請の流れ

就労ビザ申請は、以下の手順で進めていきます。

STEP
就労ビザ3つの申請方法を確認する

就労ビザを申請する前に、雇用しようとする外国人本人のステータスをチェックします。

これから来日在留資格認定証明書交付申請
在留資格変更在留資格変更許可申請
退職・転職所属機関等に関する届出

雇用した外国人が自社を辞めた、外国人が自社に転職入社してきた場合、その日から14日以内に会社は「所属機関等に関する届出」を提出します。 

なお在留資格や所属機関によって内容が異なりますので、出入国在留管理庁のHPで必ずご確認ください。

STEP
在留資格の確認・確定

これから取得・変更しようとする在留資格は何か確認します。不明な点があれば出入国在留管理庁に問い合わせ、確定させます。

以下、外国人を来日させ、雇用開始する企業が行うべき在留資格認定証明書交付申請についての流れを見ていきます。

STEP
雇用契約内容の確認

在留資格認定証明書交付申請においては、来日後、外国人に交付する労働条件明示書を資料として添付しなければなりませんので、外国人の方と諸条件を確認し、相互に合意しておく必要があります。

初めて雇用する場合などは必ず外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針や法律も併せてチェックします。 

STEP
在留資格認定証明書交付申請手続き

自社または取次者が、申請書・証明書・資料などを取り揃え不備がないかを確認し、自社地域を管轄する出入国在留管理官署に提出します。

STEP
在留資格認定証明書の交付

認定となった場合は、出入国在留管理庁から郵送で証明書が届きます。

STEP
外国人本人に認定書送付

認定証明書が届き次第、早急に外国人本人に国際郵便で送付します。

STEP
外国人本人による手続き

外国人本人が自国にある日本領事館などでビザ(上陸許可)申請を行い、ビザの発給を受けます。

STEP
入国・在留カード交付

ビザ発給の報告を受けたら、航空券を手配し、外国人を入国させます。国内主要空港から入国させることで、上陸時その場で在留カードを取得させることが可能です。

STEP
入社・社宅入居

可能であれば、自社担当者が空港まで迎えに行き、まずは会社に案内し、労働契約を締結し、用意した社宅に案内します。

職場までの通勤や生活に慣れるまでは、細やかにサポートしてあげてください。

就労ビザが不許可になる理由

就労ビザを申請したのに不許可となって、外国人が採用できないケースは普通にあります。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」での入国を予定し、申請を行った結果、NGとなった場合は、以下の理由が考えられます。

対象主な理由
申請書類-申請内容に不備がある
-整合性が認められない
-有効な証明書や資料が添付されていない
外国人本人-JLPT(日本語能力試験)N3程度のレベルを習得していない
-過去に強制退去となり再入国できない
-上陸許可基準を満たせなかった
-就労ビザ取得要件を満たす学歴や職歴ではなかった
-就労ビザ取得要件を満たす資格を持っていなかった
-3年以上の実務経験がなかった(外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合)
会社-外国人本人の学歴・職歴・資格とは大きくかけ離れた業務での招へい
-従業員を雇用できる事業の実態がない
-外国人を雇用しようとする事業の許認可を得た形跡がない
-資本金など財務状況を鑑みて従業員を雇用できるとは判断しがたい
-過去、入管法違反を犯している

※上表にある整合性とは、事実に則した内容であること、虚偽記載がないこと、法律に反する記載がないこと、矛盾が生じていないことを指します。

これから現地の優秀な外国人人材を招へいしたい、申請を一度で済ませたい、現在準備中の就労ビザの申請がうまくいくかどうか不安、整合性がとれているか不許可理由に該当する項目がないかなど診断してほしい経営者のみなさんは、ぜひ外国人人材のプロにご相談ください!

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名前
プロフィール画像
キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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