【外国人社員の日本語力】採用後に悩まない!教育・コミュニケーションを円滑にする対策

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・外国人社員の日本語レベルを正しく把握
・日本語力に合わせた研修、配置のコツ
・サポート制度や社内体制の具体策

外国人採用を検討するうえで「日本語力」は大きな懸念事項です。実際にコミュニケーションのトラブルや、業務の割り振りがうまくいかないケースもあります。この記事では、日本語力を正しく把握し、効果的に活かす方法を詳しく解説します。

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外国人社員の日本語力を把握する重要性

外国人社員を雇用する際、日本語力のレベルを理解していないと、社内コミュニケーションのトラブルや生産性低下といった問題が生じやすいです。ここでは、日本語力把握がなぜ重要なのか、その3つのポイントを解説します。

コミュニケーションロスの回避

日本語のレベルを正確に把握することで、業務連絡や報告・連絡・相談(ホウレンソウ)のミスや誤解を最小限に抑えられます。外国人社員への説明が不十分だと、以下のようなリスクが発生します。

作業ミスや納期の遅延
顧客や取引先とのやり取りでのトラブル
社内の人間関係のこじれ

適切な言語レベルを前提に「何をどの程度伝えるのか」を明確化しておくと、コミュニケーションロスを防ぐことができます。

配属部署・仕事内容の最適化

外国人社員の日本語レベルをもとに部署や仕事内容を最適化すると、人材の強みを活かしやすいです。たとえば以下のようなケースが考えられます。

具体例

高度な翻訳・通訳スキルを持つN1取得者を海外窓口に配置
日常業務レベルの日本語(N2)を使いこなす人を国内・海外ハイブリッド業務に起用
英語を母国語とする人を英語ドキュメント作成や、海外顧客サポートに集中配置

日本語レベルに合わせて業務を割り振れば、本人のモチベーション維持にもつながります。

社内研修やサポート体制の立案

採用前後に行う教育・研修の内容を検討する際に、日本語力の把握は欠かせません。たとえばN2以上の社員にはビジネスメールやプレゼンテーションの研修を行い、N3レベルの社員には日本語学習サポートの優先度を高めるなど、各レベルに合わせたメニューを設定できます。

研修計画に加えて、メンター制度の導入や、定期的な面談によるフォローアップも検討すると効果的です。

日本語能力試験(JLPT)とは

外国人の日本語力を測るうえで、日本語能力試験(JLPT)は最も認知度の高い指標です。N1からN5までの5段階に分かれており、数字が小さいほど高いレベルになります。

この試験は主に「読む力」と「聞く力」が測定されるため、現場で必要とされる「話す力」「書く力」については別途確認が必要です。

JLPT各レベルが示す日本語力

JLPTの各レベルごとに、ビジネスシーンでの活用範囲が異なります。ここではN1からN5まで、レベル別の特徴を整理します。

日本語能力試験(JLPT)5つのレベル別概要

レベル別に見る外国人社員の特徴

JLPTレベルごとに、実際の業務現場での特徴や強み・弱みが異なります。ここではN1、N2、N3以下の3つに分けて解説します。

N1レベル:高度なビジネス日本語を使いこなす

N1取得者は、ビジネス文書の作成や交渉・プレゼンテーションなど、幅広い業務で問題なく日本語を活用できる可能性が高いです。企業によっては「日本語ネイティブと同等レベル」と評価する場合もあります。

ただし、敬語やビジネスマナー、業界特有の表現などは個人差があるため、実際の面接やトライアル業務で慎重に確認することが大切です。

N2レベル:日常業務での日本語はほぼ問題なし

N2取得者は、社内外のやり取りやメール対応など、日常的なビジネスシーンで十分に日本語を活用できます。会議資料の読み込みや基本的な問い合わせ対応で困ることは少ないです。

ただし、専門性の高い業務や業界特有の表現が求められる場面では、あらかじめしっかりしたレクチャーを行い、必要に応じてサポートを検討するのがおすすめです。

外国人労働者を採用する企業では「N2」を基準とする場合が多く、求人票の必須要件にも記載されていることが多いです。

N3以下の場合:基礎能力はあるがサポートが不可欠

N3以下のレベルでは、日常会話や簡単な業務連絡は可能ですが、複雑な業務指示や専門用語が絡む業務では戸惑いがちです。指示を出す側は、視覚資料や具体例を示すなどの工夫が求められます。

さらにOJT(On the Job Training)や社内研修を充実させることで、社員の日本語力を段階的に伸ばすことができます。

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日本語力を確認する際のポイント

外国人社員の日本語力を判断する材料としてJLPTは重要ですが、試験スコアだけで採用可否を決めるのはリスクがあります。実際のビジネスシーンで求められるスキルを、多角的に見極めましょう。

JLPTスコアだけに依存しない

JLPTは「読む」「聞く」が中心の試験です。ビジネス現場では「書く」「話す」力が不可欠になる場合が多いため、以下のような方法で総合的に確認すると効果的です。

面接時のロールプレイ: お客様対応やプレゼンテーションの模擬練習を行う
ライティングテスト: 簡単なビジネスメールや報告文書を作成させる
グループディスカッション: 他の候補者や社員と意見交換しながら進める課題に取り組んでもらう

これらを面接や選考過程に組み込むことで、より正確に見極められ、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。

実務に直結する課題の設定

特に中途採用や専門職採用の場合、実際の業務に近い課題を与えて日本語力を確認するとミスマッチが減ります。たとえば、次のような方法があります。

具体的な方法

メールのやり取り: 想定されるクレームや問い合わせメールへの返信案を作成させる
簡単な企画書の作成: 社内向けに新商品の提案書を作る課題を与える
会話ロールプレイ: 上司やクライアントと打ち合わせを行う場面設定で、意見交換してもらう

現場に即したテストを行うことで、より正確な日本語運用能力を把握できます。

外国人社員の日本語力を伸ばすための支援策

外国人採用を成功させるうえで重要なのは、採用後のフォローアップです。社員の日本語力を伸ばす仕組みを整えれば、離職率の低下や戦力化のスピードアップにつながります。

社内外での日本語学習機会の提供

研修やオンライン講座、語学学校への通学支援など、社員が継続的に学べる仕組みを作ることが大切です。学習機会を設けるメリットは以下のとおりです。

メリット
  • 業務で使う日本語を実践的に習得しやすい
  • 新たな語学力習得へのモチベーションを維持しやすい
  • 社員同士のコミュニケーションがスムーズになる

たとえば「〇〇語学学校」と提携して割引を提供する、オンライン学習ツールの費用を会社が一部負担するなど、さまざまな形でサポートできます。

メンター制度・チーム体制の構築

外国人社員が安心して業務に取り組めるよう、先輩社員やリーダーがメンターとなる制度を導入すると効果的です。メンターが業務の流れや日本語表現をこまめにフォローすることで、言語面だけでなく社内文化への適応もスムーズに進みます。

また、上司やチームメンバーも、必要に応じて翻訳ツールややさしい日本語を活用するとよいでしょう。さらに、グループチャットやコミュニティの活用によって、いつでも気軽に質問を投げかけられる環境を整えれば、チーム全体の生産性やコミュニケーションの質が一層高まります。

多文化理解研修の実施

言語力の問題だけでなく、文化や習慣の違いから生じるギャップにも配慮する必要があります。多文化理解研修を実施し、日本人社員を含めて相互理解を促すことで、トラブルが起きにくい環境を整えられます。具体的には以下のような研修内容が挙げられます。

具体例
  • 異文化コミュニケーションの基礎知識
  • 海外出身社員の母国文化やビジネスマナーの紹介
  • 自社の事例を通じて多様性のメリットを学ぶ

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ(2024年)」によると、外国人労働者を積極採用している企業の多くが、言語研修や多文化理解に投資しているというデータも報告されています。

まとめと今後の課題

令和4年度 日本語教育実態調査

国内の日本語学習者は令和元年に約28万人と過去最高を記録し、新型コロナによる減少後も令和4年には約22万人まで回復しています。一方で日本語教師の増加は緩やかで、今後さらに需要が高まる中、教師不足が深刻化する可能性があります。

外国人社員の日本語力を正しく把握し、レベルに応じた教育やサポートを施せば、コミュニケーションロスを減らして早期戦力化を図れます。人材定着に向けた取り組みが、企業の未来を支える大きな鍵ともなると考えられます。

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この記事の監修者

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キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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