
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
・監理団体の役割とは?
・監理団体の選び方と注意点
・実際のトラブル例
本記事では、監理団体の基本的な役割から、選ぶ際のポイント、登録支援機関との違い、さらに実際のトラブル例など詳しく解説していきます。技能実習生を受け入れる企業にとって、監理団体を適切に選ぶことは非常に重要ですので、ぜひ参考にしてください。

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監理団体とは?
監理団体は、外国人技能実習制度を支える非営利組織で、実習生が日本で安心して技能を学べる環境を提供します。実習生の募集や管理を行い、受け入れ企業との調整や監査、生活支援も担います。
技能実習生の受け入れには「企業単独型」と「団体監理型」があり、団体監理型の場合、事前に監理団体に加盟することが必須です。この加盟により、企業は必要なサポートを受けられます。

そもそも技能実習って何?


監理団体の主な役割
監理団体には、以下のような重要な役割が求められています。
・定期監査と臨時監査
・訪問指導
・入国後講習の実施
・技能実習計画の作成支援
・送り出し機関との連携
・実習生の生活支援
定期監査と臨時監査
監理団体は、実習生の労働環境が適正であるかを確認するために定期的に監査を行います。これは、実習生が「ブラック労働」に巻き込まれないようにするための大切なチェックポイントです。
監査では、企業が技能実習計画や労働条件を遵守しているかを、3か月に1回以上の頻度で厳格に確認し、必要に応じて臨時監査も行います。
訪問指導は実習生の生活サポートが目的で、技能実習1号期間中は毎月1回以上、2号・3号期間中は2か月に1回以上が必須です。
訪問指導
監理団体は、実習生が入国してから初年度の間に受け入れ企業を訪問し、状況を確認したり指導を行ったりします。この訪問は、実習生が日本での生活に適応するための重要な支援の一環です。
例えば、現地での言葉の壁や文化の違いで苦労している場合には、それを理解し、適切なサポートを提供するよう企業に指導します。新しい環境に慣れない留学生に対して、学校がカウンセラーを配置して悩みを聞くのと似ています。
入国後講習の実施
監理団体は実習生が入国した後、生活面や法令の遵守方法に関する講習を実施します。これは、外国人実習生が日本社会で適応するための「オリエンテーション」だと考えてください。
日本語や日本での生活習慣の基礎知識、労働基準法や入管法についての説明が行われ、実習生が安心して日々の生活を送れるようにします。
技能実習計画の作成支援
実習生を受け入れる企業は、技能実習計画を策定し、実習が適正に行われることを証明する必要があります。監理団体は、この計画が実習の目的に合致し、法令に準拠しているかを確認し、必要に応じて指導を行います。
これにより、企業は実習計画の適正な実施が確保され、実習生が無理なく学べる環境が整います。
送り出し機関との連携
監理団体は、実習生の送り出し国で活動する送り出し機関と連携し、実習生の募集や面接、採用手続きなどを行います。送り出し機関は、監理団体の「海外支部」のような役割を果たし、日本側の企業と実習生をつなぐ橋渡しをします。両国間の協力関係がしっかりと構築されていることが、実習生のスムーズな受け入れに繋がります。


実習生の生活支援
監理団体は、実習生が日本での生活に不安を感じないよう、生活面でのサポートも行います。たとえば、言語の壁に悩む実習生には通訳を手配し、緊急時には相談窓口を設置して助けを提供します。安心して日本の生活や実習に専念できるようにしています。
監理団体は2種類がある
大きく分けて「一般監理団体」と「特定監理団体」の2種類ある
項目 | 一般監理団体 | 特定監理団体 |
---|---|---|
監理可能な実習期間 | 最大5年間(優良認定で技能実習3号まで) | 最大3年間(技能実習1号および2号のみ) |
メリット | 長期的なスキルアップの支援 | 短期間の実習希望者に適した団体 |
一般監理団体
「一般監理団体」は、技能実習生が日本で基本的な技能を学べるように管理やサポートを行う団体のことです。具体的には、実習生が基礎的なスキルから中級レベルのスキルを身につける「技能実習1号」と「技能実習2号」という初期段階の実習を監督します。ただし、一定の条件を満たすと「優良監理団体」として認定され、技能実習3号(4~5年目)の監理も可能になります。


さまざまな業種の実習生を受け入れているのが特徴です。そのため、建設、製造、農業など、幅広い職種の実習生が一般監理団体のサポートを受けながら技能を学びます。
特定監理団体
「技能実習1号」と「技能実習2号」の受け入れが可能です。つまり、特定監理団体は、最長で3年間、日本に来たばかりの実習生が日本の生活に慣れ、基本的な技術を学べるよう支援する団体です。
迷われている場合、まずは 一般監理団体 を検討するのがおすすめです。理由は、一般監理団体は技能実習1号から3号まで対応可能で、最長5年の長期実習ができます。特定監理団体は、技能実習期間が最長3年に限られます。長期的に実習生を育成したい場合には向いていません。
監理理団体と登録支援機関の違い
監理団体と似たような役割を持つ機関に「登録支援機関」があります。どちらも外国人労働者を支援する機関ですが、対象とする制度や業務内容には大きな違いがあります。
項目 | 監理団体 | 登録支援機関 |
---|---|---|
対象 | 技能実習生 | 特定技能 |
役割 | 技能実習生と企業の仲介・支援 | 特定技能者の就業・生活サポート |
業務内容 | 監査、技能実習計画の策定支援、生活支援、トラブル対応 | 就業支援、生活支援、定期的な面談 |
設立の要件 | 労働組合、商工会議所などが設立可能 | 法人であれば登録が可能 |
必要な認可 | 法務省・厚生労働省からの認可 | 出入国在留管理庁からの登録 |



登録支援機関と特定技能って何だろう。




監理団体を選ぶ際のポイント
監理団体を選ぶ際には、信頼性や実績、費用、サポート体制などを確認することが重要です。以下は、監理団体を選ぶ際に考慮すべきポイントです。
実績と信頼性
まずは、監理団体の実績や信頼性をしっかり調べましょう。具体的には、次のような点を確認してください。
実績のある団体は、企業と実習生の間で起こりうる問題を未然に防ぐことができ、安定したサポートが期待できます。
実際に起きたニュース:失踪で30万円の覚書 実習生監理団体、許可取り消し
サポート内容の充実度
監理団体がどれだけサポートしてくれるかも重要です。確認するべきサポート内容は以下の通りです。
これらのサポートが充実していると、実習生は安心して仕事に集中できます。


費用の比較
監理団体によってサービス料金が異なるため、複数の団体の費用を比較することが重要です。料金が安すぎる団体には注意が必要で、サポートが不十分な可能性もあります。費用とサービス内容を総合的に考えましょう。
希望の国や職種に対応しているか
監理団体によって、取り扱う国や職種が異なります。たとえば、「ベトナムからの実習生がほしい」や「特定の技能分野で実習生を採用したい」といった自社のニーズに対応できる監理団体を選ぶことで、スムーズな受け入れが可能になります。



監理団体は途中で変更も可能です!
トラブル例と実際に起きた事例


実習生へのサポート不足
ある監理団体が実習生の生活や日本語のサポートを十分に行わず、実習生が生活に困り果ててしまった事例があります。この監理団体は、日本での生活に関するサポートを提供しなかったため、実習生は食事や住居など日常の面での不安を抱え、結果的に仕事に集中できない状態になりました。
監査や定期指導の不履行
監理団体が企業に対する定期的な監査や指導を怠った結果、実習生が劣悪な労働環境で働かされる事態が発生しました。企業は、監理団体からの指導がないままに、労働基準を満たさない環境で実習生を雇用し続けたため、過重労働や賃金未払いが発生。最終的には労働基準法違反として指摘を受け、企業と監理団体双方が処分を受ける結果となりました。
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まとめ
外国人技能実習制度を円滑に運用するためには、信頼できる監理団体の選定が不可欠です。監理団体は、企業と実習生の架け橋となり、適切なサポートを提供することで、実習生が安心して技能を習得できる環境を整えます。監理団体の存在は、実習生にとっても、受け入れ企業にとっても心強い「パートナー」であり、円滑な実習が行えるための重要な存在です。


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この記事の監修者


大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。