
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
この記事を読むことで、次の3つのポイントが得られます。
・送り出し機関の役割と重要性
・二国間協定とは?
・送り出し機関の選び方と注意点
この記事では、外国人労働者を雇う際の送り出し機関の役割について詳しく解説しています。送り出し機関の選び方や注意点も紹介しており、信頼できるパートナーを見極めるための知識が得られます。企業が安心して外国人雇用を進めるために必要な情報を知りたい方にとって、必見の内容です。

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送り出し機関について知っておくべきこと

外国人雇用における送り出し機関の役割と重要性
送り出し機関は、日本で働きたい外国人を母国で募集し、日本に送り出す組織です。主に技能実習制度や特定技能制度で、外国人が日本での就労に必要な準備を支援します。
具体的には、候補者の選定、研修、ビザ手続きのサポートを行い、日本到着後も適応支援を提供します。送り出し機関の役割は、単に労働者を日本に送り出すだけではなく、労働者が安心して働けるよう、基本的な生活準備や日本の文化理解、マナー教育なども含まれています。企業にとって、送り出し機関は信頼性とサポート体制の充実が重要な要素となります。
技能実習制度と特定技能制度での送り出し機関の違い
技能実習制度と特定技能制度における送り出し機関の役割には違いがあります。
技能実習制度における送り出し機関の役割と要件
技能実習制度においては、送り出し機関が候補者の選考や教育を行うことが必須です。日本政府は技能実習生を適切に受け入れるために、送り出し機関が母国での研修を実施し、基礎的な知識や技能を教育することを求めています。
また、送り出し機関は政府からの認定を受ける必要があり、候補者が不正に搾取されることがないように高額な手数料などの取り扱いに関しても規制がかけられています。

特定技能制度における送り出し機関の役割
特定技能制度では、送り出し機関の利用は義務付けられていません。しかし、多くの企業が送り出し機関を利用する理由は、必要な労働力を確実に確保するための手段として送り出し機関が役立つからです。送り出し機関は、候補者が特定技能に求められる日本語能力や専門的な技術を身に付けるサポートを提供します。
また、日本国内に既に滞在している特定技能労働者を採用する場合、送り出し機関を経由する必要はありません。

送り出し機関は必ず利用する必要があるのか?
送り出し機関の利用が必要かどうかは、技能実習制度か特定技能制度か、また外国人がどの国から来るかによって異なります。
技能実習制度での利用の必須性と例外
技能実習制度では、日本で実習生を受け入れる場合、送り出し機関の利用がほぼ必須です。技能実習生を送り出す国々は日本と「二国間協定」を結んでおり、協定に基づき認定を受けた送り出し機関のみが実習生を日本に送り出せます。

かなり稀だけど、直接雇用が出来る可能性もあります!
日本国内での技能実習生の転籍(転職)
現地に日本企業の子会社や関連企業がある場合など
特定技能制度での送り出し機関利用の義務の有無
特定技能制度では、企業が直接外国人を採用することが可能で、送り出し機関の利用が必須ではありません。しかし、送り出し機関のサポートを受けることでスムーズな手続きが可能になります。例えば、日本語の基礎教育や基本的な生活準備が整うことで、労働者の早期定着が期待できます。
日本と特定技能制度に関する二国間協定を結んでいる国(ベトナム、フィリピンなど)からの採用には、政府認定の送り出し機関の利用が求められることがあります。
知っておきたい「二国間協定」のポイント


二国間協定とは?送り出し国と受入れ国の取り決め
二国間協定は、日本と外国人労働者を送り出す国との間で結ばれる取り決めです。外国人労働者の受け入れに関する規定を定め、送り出し機関の認定基準や手数料、日本での労働者の権利保護について具体的なルールが決められています。
この協定により、労働者が安心して働ける環境が整い、企業も信頼できる送り出し機関と提携できることで雇用リスクが軽減されます。
フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ、インド、マレーシア(特定技能のみ)、ラオス、ブータン(技能実習のみ)、キルギス(特定技能のみ)
外国政府認定送出機関一覧|外国人技能実習機構
▶参考:技能実習に関する二国間取決め(協力覚書)|厚生労働省
▶参考:特定技能に関する二国間の協力覚書|出入国在留管理庁


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送り出し機関の課題と問題点
技能実習生の失踪の背景には、制度や送り出し機関の問題が影響しています。技能実習生は転職が認められておらず、受け入れ企業で過酷な労働が課されても他の職場に移ることが難しいため、借金返済のために失踪するケースが増えています。
こうした悪質な送り出し機関がどのような問題を引き起こしているのか、そしてその影響について詳しく見ていきましょう。
高額な手数料と不透明な費用の問題
送り出し機関への支払いには、監理団体や企業からの手数料に加え、実習生自身からも費用が徴収されます。実習生が支払う費用は事前教育やサポートに充てられるとされていますが、中には不透明な高額手数料が含まれることもあり問題視されています。企業が実習生に過度な負担がかからないよう、費用の内訳が明確で適正なコストの送り出し機関を選ぶことが重要です。
以下のデータは、出入国在留管理庁が調査・公表した、技能実習生の送り出し機関や仲介者(送り出し機関以外)に支払った費用のまとめです。


出典:技能実習生の支払い費用に関する実態調査について(結果の概要)|出入国在留管理庁



実習生の世帯年収は、現地で約40万円前後と言われています。
教育レベルの低さや不適切なフォロー体制
一部の送り出し機関では、日本で必要な日本語教育や職業訓練が不十分で、実習生が日本での生活や仕事に適応できず、職場で問題が起こることがあります。短期間で質の低い教育が行われ、日本語スキルの低い講師が担当する場合もあります。企業は、送り出し機関を選ぶ際に、教育内容やサポート体制が十分かどうかを確認することが大切です。
悪質な送り出し機関を避けるための注意点
悪質な送り出し機関を避けるためには、以下の点に注意が必要です。
認定を受けた送り出し機関であるか、口コミや評判を事前に調べましょう。
不正な手数料や高額な費用に注意
過剰な手数料を請求したり、労働者の費用負担が重い機関は避けるべきです。
接待や癒着のチェック
監理団体との癒着や過度な接待、不正なキックバックがある機関は、外国人に過剰な費用負担をかけることが多いため要注意です。
悪質な機関と提携すると、企業もトラブルに巻き込まれる可能性があるため、送り出し機関を慎重に選ぶことが大切です。
送り出し機関の選び方とチェックポイント
日本語教育の内容や担当者の対応力を確認
フォロー体制が整っているか?
担当者の対応をチェック
政府認定の送り出し機関を選ぶ
政府認定の送り出し機関は、一定の基準を満たしているため信頼性が高いです。認定機関は、日本で働くための教育やサポートをしっかり行う義務があり、不当な手数料も取りにくくなっています。
例えるなら「お墨付きのあるレストラン」に行くようなもので、一定の安心が得られます。
日本語教育の内容や担当者の対応力を確認
送り出し機関の日本語教育の質は、実習生の仕事や生活に大きく影響します。例えば、「簡単なあいさつだけ」ではなく、仕事に必要な言葉や日本のルール、マナーまで教えているかを確認しましょう。
また、日本語の先生が親切で、理解しやすく教えてくれるかも大切です。質の高い教育で、実習生が安心して学べる環境が整っている送り出し機関を選ぶことで、早期の職場定着が期待できます。


フォロー体制が整っているか?
日本に来た後も、困ったときに相談できる体制があるかを確認しましょう。特に日本国内に事務所や担当者がいると安心です。もし生活面や職場でトラブルが起きたとき、母国語で話せるスタッフがサポートしてくれることで、労働者も企業も助かります。
担当者の対応をチェック
送り出し機関の担当者の対応や言葉づかいも重要なポイントです。例えると、信頼できるお店の店員さんは話し方が丁寧でわかりやすいものです。もし、対応が雑だったり、疑問に思うことがあるなら、別の機関を検討するのが良いでしょう。


ベトナム・フィリピン・ミャンマー各国の送り出し機関事情
ベトナムからの技能実習生・特定技能外国人採用のポイント
ベトナムからの技能実習生や特定技能労働者を採用する際、政府認定の送り出し機関の利用が義務付けられています。これは技能実習制度だけでなく、特定技能の場合も同様で、政府が認定した送り出し機関を経由する必要があります。
ベトナムで新たに特定技能外国人を受け入れる場合、送り出し機関はベトナム労働・傷病兵・社会問題省(DOLAB)に推薦者表の承認手続きを行わなければなりません。また、現地での求職者の募集や在留資格取得の手続きは専門的なノウハウが必要となるため、人材紹介会社の利用をおすすめします。


フィリピンからの採用における送り出し機関の特徴
フィリピンの送り出し機関は、英語が堪能な労働者を多く輩出している点が特徴です。多くのフィリピン人は既に英語教育を受けているため、日本語教育に加えて日本の文化やマナー教育に力を入れている送り出し機関も多く存在します。また、手数料やサポート体制も比較的透明で、企業にとって信頼性の高いパートナーとなるケースが多いです。
フィリピンから特定技能や技能実習生を雇用するには、MWO(旧POEA)認定エージェントを介する必要があります。日本在住のフィリピン人も同様で、受け入れ前に大使館や総領事館への書類提出や英語面接が求められます。複雑な手続きのため、経験豊富なエージェントへの相談をおすすめします。


ミャンマーの送り出し機関を利用する際の注意点
ミャンマーの送り出し機関は発展途上のため、慎重に選ぶことが大切です。日本語教育が不十分な機関もあり、教育やフォロー体制が整っているか確認しましょう。また、手数料が不透明な場合もあるので、費用や信頼性を事前にしっかり確認することが重要です。
ミャンマーから採用するには、政府認定の送り出し機関を通して契約し、MOLIPに求人承認を得る必要があります。手続きが複雑なため、経験豊富な機関に依頼するとスムーズです。


送り出し機関の選定例:良い送り出し機関と悪い送り出し機関
良い送り出し機関の特徴と評価ポイント
良い送り出し機関は、教育内容が充実しており、労働者に適切なサポートを提供します。また、費用の内訳が明確で、不透明な追加料金が発生しないことも重要です。
さらに、企業側への定期的な報告や、労働者が日本に来た後のフォローアップ体制が整っている機関は、信頼できると言えます。こうした特徴を持つ機関を選ぶことで、企業も安心して雇用プロセスを進めることができます。
実際に起きたニュース:高額な手数料と仲介者の存在
避けるべき送り出し機関の典型的な特徴
避けるべき送り出し機関の特徴としては、手数料が高額である、不透明な費用が多い、教育体制が整っていない、フォローアップが不十分といった点が挙げられます。また、口コミや評判が悪い機関は、問題を抱える可能性が高いため、選定時に注意が必要です。企業が安心して外国人労働者を受け入れるためには、こうした機関を避けることが肝心です。
まとめ
外国人材の受け入れを円滑に進めるには、送り出し機関の選定が不可欠です。二国間協定の有無や手数料の透明性、日本語教育などの体制を確認し、担当者の対応や評判も含めて信頼性の高い機関を選びましょう。
適切な機関と提携することで、技能実習生や特定技能外国人の定着やトラブル回避につながります。費用の内訳が明確かどうかも大切なポイントです。企業と労働者の双方が安心できる環境を整え、外国人雇用を実現しましょう。


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この記事の監修者


大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。