
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
・自動車運送業の受け入れ要件
・自動車運送業で特定技能外国人を採用する手順
・「自動車運送業」の注意点とリスク
特定技能「自動車運送業」に興味があるが、手続きや要件が難しそうと感じている方に朗報です。本記事では、制度の基礎知識から具体的な手順までを分かりやすく解説。外国人ドライバー雇用による人手不足解消や職場環境改善の可能性を探り、自社の課題解決と成長への道筋を見出せます。ぜひ最後までご覧ください。

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運送業の人手不足の現状
運送業界では深刻な人手不足が続いています。2024年1月の有効求人倍率は「3.39倍」で、全産業平均の1.21倍を大きく上回り、採用の難易度が非常に高いことがわかります。さらに、人手不足による倒産件数も増加傾向にあります。帝国データバンクの調査によると、2023年の「人手不足倒産」は過去最多の260件に達し、そのうち物流業が占める割合は39件と2022年の20件からほぼ倍増しています。このような状況は、人材不足が企業経営に与える影響が年々深刻化していることを示唆しています。

特定技能で運送業の人手不足解消!?
特定技能「自動車運送業」の創設は、日本の深刻な人手不足に対応するための大きな一歩です。この制度は、トラック運転手やタクシー運転手、バス運転手といった事業用自動車の運転を担う外国人労働者を受け入れることで、業界の労働力を補完することを目的としています。
特定技能「自動車運送業」は、日本の深刻な人手不足を解消するために、外国人労働者を受け入れる制度になります。

受け入れ予定人数と背景
特定技能の下で、自動車運送業では向こう5年間で最大2万4500人の外国人労働者の受け入れを見込んでいます。しかし、同分野では令和6年度からの5年間で約28万8000人の人手不足が予測されており、国内での対策(生産性向上や労働環境の改善など)だけでは埋めきれないとされています。つまり、特定技能による外国人労働者の受け入れは、不足する労働力を補う上で重要な役割を果たすことが期待されています。
【2025年1月】出張試験の受付開始

国土交通省は2024年12月4日、「自動車運送業分野」の特定技能1号評価試験の受付開始を発表しました。
試験方式は2つあり、まず2025年1月に開始される「出張試験方式」では、企業や団体が申請し指定会場でペーパーテストを実施します。もう1つの「CBT方式」はテストセンターで実施され、2025年3月開始予定です。今回の試験開始により、外国人がよりスムーズに特定技能資格を取得し、日本で働く機会が広がります。
特定技能「自動車運送業」の受け入れ要件
特定技能「自動車運送業」は、企業と外国人労働者の双方に厳しい基準が設けられています。以下では、それぞれの要件を初心者にもわかりやすく説明します。
所属機関(企業)に求められる要件
企業が特定技能外国人を雇用するためには、以下の要件を満たす必要があります。
安全性:過去5年間に重大な交通事故を起こしていない
経営状況:安定した経営基盤を有している
支援体制:外国人材の生活支援や相談対応ができる体制を整えている
研修体制:適切な研修を実施できる体制を整えている
自動車運送業分野特定技能協議会の構成員になる
新任運転者研修を実施
運転者職場環境良好度認証制度に基づく認証又は安全性優良事業所の保有など
これらは国土交通省が設定しており、企業は証明書類を提出することで要件をクリアしていることを証明します。
外国人に求められる要件
外国人が特定技能「自動車運送業」で働くには、以下を満たさなければなりません。
技能:自動車運送業に関する技能試験に合格している
日本語能力:日本語能力試験N4以上または同等の能力を有する
健康状態:健康診断で問題がない
運転免許:日本の運転免許を取得していること(または取得見込みがある)
これらの要件は出入国在留管理庁の基準に基づいており、これを満たすことで日本で働くための条件が整います。
雇用形態・契約内容の条件
特定技能外国人を雇用する際は、次のような条件を守る必要があります。
・雇用形態:直接雇用であること(派遣は認められていません)
・契約期間:最長5年間(更新可能)
・賃金:日本人と同等以上であること
・労働時間:労働基準法に基づく適切な労働時間管理
・社会保険:健康保険、厚生年金、雇用保険への加入
これらの条件は、外国人労働者が公平かつ安全に働ける環境を整えるために定められています。企業はこれらを守ることで、法律に準じた雇用が可能となります。

自動車運送業で特定技能外国人を採用する手順
自動車運送業で特定技能人材を採用する場合、以下の3パターンに分かれます。ただし、運転免許を保有していない場合は、以下の特徴的な手続きが必要となります。
まず「特定活動」ビザに変更し(トラックの場合は最長6か月、タクシー・バスの場合は最長1年)、その期間中に日本の運転免許を取得するか、外国免許切替の手続きを行います。
①国内在住で:日本の免許あり
②国内在住で:外国の免許のみ
③海外在住で:外国の免許のみ


採用費用やより細かな採用プロセスを知りたいな。


運送業界で採用可能な在留資格一覧
在留資格 | 特徴・条件 | 就労可能な業務 |
---|---|---|
特定技能(1号) | ・運送業界は2024年から追加 ・技能試験と日本語試験に合格が必要 ・5年間の在留可能期間 | ・トラック運転 ・タクシー運転 ・バス運転 |
永住者 | ・就労制限なし | ・在留期限なしすべての業務 |
定住者 | ・在留期限あり(更新可能) ・就労制限なし | すべての業務 |
技能実習 | ・3年間の在留可能期間(条件により2年延長可) | ・特定の技能分野で働くことが目的荷物の積み下ろし、倉庫管理 |
技術・人文知識・国際業務 | ・高度な専門知識や語学スキルが必要 ・業務内容が資格要件を満たす場合のみ就労可 | 配送計画の作成、顧客対応、国際取引に関する業務 |
特定活動(46号) | ・試験合格が必要 | ・特定の運送業務に限定トラック運転(特定の条件を満たす場合) |




特定技能「自動車運送業」の注意点とリスク
特定技能「自動車運送業」で外国人ドライバーを雇用する際には、いくつかの重要な注意点とリスクがあります。これらを理解し、適切に対応することで、外国人ドライバーの雇用を成功させることができます。
受け入れ企業の義務とリスク管理
特定技能外国人を雇用する企業には、法令遵守や労務管理、安全教育、生活支援などの義務があります。これらを怠ると、罰則や受け入れ停止などのリスクがあるため、適切に対応することが重要です。
労働基準法や労働契約法を遵守し、適切な労働時間の管理、有給休暇の付与、給与の支払いを徹底する必要があります。
安全教育:交通安全教育を行い、道路交通法や運転マナーを教えることで事故のリスクを低減します。定期的な研修を通じて継続的な指導を行うことが効果的です。
生活支援:住める場所を用意し、日本語学習の機会を設けることも大切です。語学力の向上は業務の効率化だけでなく、職場や地域でのコミュニケーションを円滑にするためにも有益です。
これらの取り組みを適切に行うことで、外国人ドライバーが安心して働ける環境を整え、企業としての信頼性を高めることができます。


サービスの質と免許取得の課題
外国人ドライバーを雇用する際は、サービスの質を維持しながら、免許取得の課題に対応する必要があります。日本では配送時間の厳守が求められ、丁寧な荷物の取り扱いや「おもてなし」精神の実践が重要です。これらは事前の教育や指導を通じて理解させる必要があります。
また、外国免許を日本免許に切り替える「外免切替」も大切な手続きです。以下にポイントをまとめます。
有効期限内の免許証を持参していること。
適性試験、知識確認、技能確認を経て免許が交付されます。
これらのプロセスをスムーズに進めることで、外国人ドライバーが業務に早く適応できる環境を整えられます。
特定技能外国人ドライバーを受け入れる際のポイント
特定技能外国人ドライバーの採用は、人手不足の解消だけでなく、職場に多様性をもたらす絶好の機会です。しかし、採用を成功させるためには、事前の準備と適切な対応が必要です。以下では、スムーズな受け入れを実現するために押さえるべきポイントを解説します。
登録支援機関の選び方
登録支援機関は、外国人ドライバーの生活支援や在留資格の更新手続きなどを担う重要な存在です。適切な登録支援機関の選定が、雇用の成功を大きく左右します。
外国人支援の実績:過去にどれだけの外国人雇用をサポートしたか。
多言語対応力:ドライバーが日本語に不慣れな場合でも対応可能な体制が重要です。
明確な料金体系:費用の透明性があるかをチェック。


働きやすい職場認定制度とGマークの活用
特定技能外国人ドライバーを受け入れる際には、職場環境を整備するために認定制度を活用することが重要です。特に「運転者職場環境良好度認証制度」や、トラック運送業の場合に推奨される「安全性優良事業所(Gマーク)」の取得は、働きやすい職場作りに大きく貢献します。また、こうした取り組みは、働きやすい環境を提供することで従業員の定着率を高め、結果的に企業の人材確保を安定させる要因にもなります。このように、認定制度の活用は、企業の成長と外国人ドライバーとの良好な関係構築に欠かせない重要なポイントと言えるでしょう。
まとめ
特定技能外国人ドライバーの受け入れは、単なる人手不足解消の手段ではなく、企業に新たな視点と多様性をもたらす重要な機会です。成功には、適切な登録支援機関の選定、働きやすい職場環境の整備、そして文化や生活面への配慮が不可欠です。事前準備と継続的なサポートを徹底することで、外国人ドライバーとの信頼関係を築き、長期的な雇用を実現できます。特定技能制度を活用し、企業の競争力強化と運送業界全体の発展に寄与する第一歩を踏み出しましょう。
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大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。