
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
・特定技能2号の条件と対象分野
・高度な外国人材の採用メリット
・実務経験証明や申請手続きのポイント
特定技能2号は、外国人材採用を考える企業にとって、解決策の一つとして注目されています。どのような条件が必要で、どんな分野で活用できるのかをご存じですか?この記事では、採用担当者が押さえるべき最新情報や具体的な手続きをわかりやすく解説します。
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特定技能2号とは?
特定技能2号は、日本で深刻な人手不足が続く特定分野において、高度な技能と経験を持つ外国人に付与される在留資格です。対象分野は当初「建設」と「造船・舶用工業」のみでしたが、2023年の閣議決定により11分野に拡大されました。
特定技能2号を取得すると、家族の帯同や在留期間の更新が可能になるなど、より多くの権利が認められます。
ビルクリーニング、
工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業

特定技能1号と2号の主な違い
特定技能1号と2号の違いを詳しく見ていきましょう。
項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
---|---|---|
求められる技能水準 | 基本的な技能 | 高度な技能と経験 |
在留期間 | 最大5年(更新可) | 無制限(更新可) |
家族帯同の可否 | 原則不可 | 可能 |
永住権の取得要件 | 対象外 | 条件を満たせば永住権取得が可能 |
対象分野 | 16分野(例:介護、建設、農業) | 11分野(2025年時点) |
外国人支援の必要性 | 企業による支援が必須 | 支援は不要 |
日本語能力 | N4相当以上が求められる場合あり | 日本語能力の確認試験は不要 |

特定技能2号は今後増加が見込まれる在留資格

外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組|出入国在留管理庁
特定技能2号は、特定技能1号を取得した外国人が、日本での5年間の就労経験を経て、更に高度な技能を持つと認定されることで取得可能な在留資格です。
2019年に特定技能制度が開始され、当初約200名だった在留者数は年々増加し、2024年9月には約268,756人に達しました。今後1号取得者の多くが、2025年以降に2号への移行条件を満たすことが予想されています。
このように、特定技能制度は今後も日本社会の労働力を支える重要な役割を果たしていくと考えられております。


特定技能2号の11分野ごと|申請要件
特定技能2号の申請要件は、以下の通りです。
①対象となる11分野(例:建設、造船・舶用工業、農業など)において高度な技能と経験。
②特定技能2号の試験に合格
③一定の日本語能力
特定技能2号の試験には、分野ごとに異なる要件があり、多くの場合2年以上の実務経験や管理・指導の経験が求められます。日本語能力は必須ではありませんが、試験は日本語で行われるため、一定の理解力が必要です。
詳しく見ていきましょう。
飲食料品製造業
飲食料品製造業分野では、以下の要件を満たす必要があります。
2年以上の実務経験(複数作業員の指導と工程管理経験)
管理者としての役職(例:ライン長、班長など)の経験が求められ、試験申し込みには実務経験証明書の提出が必要です。2025年1月時点で試験に申し込めるのは企業からのみです。

飲食料品製造業の試験概要
○ 試験言語 日本語
○ 実施方法 ペーパーテスト(マークシート)方式
○ 試験時間・科目
70分50問 200点満点
(原則として三者択一、合格基準 65%以上)
(1)学科試験
35問 125点満点
(2)実技試験(判断・計画立案試験等)
15問 75点満点
外食業
外食業分野で特定技能2号を申請するには、以下の要件を満たす必要があります。
外食業特定技能2号技能測定試験への合格
日本語能力試験(JLPT)N3以上の取得
2年以上の実務経験(副店長やサブマネージャーとしての店舗管理補助経験)

外食業の試験概要
項目 | 試験内容 | 問題数 | 配点 |
---|---|---|---|
学科試験 | 衛生管理 | 10問 | 40点 |
飲食物調理 | 5問 | 10点 | |
接客全般 | 10問 | 30点 | |
店舗運営 | 10問 | 40点 | |
合計(学科試験) | 35問 | 120点 | |
実技試験 | 衛生管理 | 5問(学科3問+計画立案2問) | 40点 |
飲食物調理 | 5問(学科3問+計画立案2問) | 20点 | |
接客全般 | 5問(学科3問+計画立案2問) | 30点 | |
店舗運営 | 5問(学科3問+計画立案2問) | 40点 | |
合計(実技試験) | 20問 | 130点 | |
試験合計 | 55問 | 250点 |
農業分野
農業分野で特定技能2号を取得するには以下が必要です。
農業技能測定試験2号への合格
2年以上の管理経験、または3年以上の実務経験
農業分野においては、管理経験がなくても3年以上の実務経験があれば申請可能です。
試験は、問題数が50問程度で構成されており、この中には採点されない非採点問題も含まれます。非採点問題は、正答率やデータ分析のために使用されます。試験時間は60分間です。農業技能測定試験2号|プロメトリック

工業製品製造業
工業製品製造業では、以下の要件を満たす必要があります。①および②の両方に合格するか、または③に合格する必要があります。
- ビジネス・キャリア検定3級取得
(生産管理プランニング区分、生産管理オペレーション区分のいずれか) - 製造分野特定技能2号評価試験の合格
(機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分のいずれか) - 技能
検定
1級取得
また、工業製品製造業は3年以上の実務経験(複数作業員を指導し、工程を管理する経験)が必要になります。

工業製品製造業の試験概要
項目 | 詳細 |
---|---|
試験場所 | プロメトリック株式会社が提供するテストセンター(国内:全国各地) |
試験時間 | 実技試験:80分学科試験:ビジネス・キャリア検定3級を別途受験 |
試験実施方式 | CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式実技試験:実際の作業工程や材料に関連する内容を読んで正しい答えを選ぶ問題 |
合否基準 | 正答率60%以上 |
受験資格 | 満17歳以上(インドネシア国籍の場合は満18歳以上)日本国内で就業意思がある者3年以上の実務経験とその証明書を提出し、資格確認番号を取得する必要がある |
受験料・手数料 | 受験料:15,000円合格証明書発行手数料:15,000円 |
建設業
建設業では、以下の要件を満たす必要があります。
特定技能2号評価試験または技能検定1級の合格
班長や職長として複数人を指導した実務経験(0.5~3年)
実務経験の年数は区分ごとに異なりますので、詳細な確認が必要です。

建設業の試験概要
試験区分 | 項目 | 詳細 |
---|---|---|
学科試験 | 問題数 | 30問 |
試験時間 | 60分 | |
出題形式 | 真偽法(○×)および2~4択式 | |
実施方法 | CBT方式(CBT操作体験版) | |
合格基準 | 合計点の65%以上 | |
実技試験 | 問題数 | 20問 |
試験時間 | 40分 | |
出題形式 | 真偽法(○×)および2~4択式 | |
実施方法 | CBT方式(CBT操作体験版) | |
合格基準 | 合計点の65%以上 |
宿泊業
宿泊分野では以下を満たす必要があります。
宿泊分野特定技能2号評価試験の合格
2年以上の実務経験(フロント、企画、接客などの業務)
宿泊分野では、フロント業務、企画・広報、接客、レストランサービスなど幅広い業務経験を積んでいることが望まれます。また、2023年6月9日以前の在留期間については、実務経験として認められる経過措置が設けられており、要件を満たすための救済措置が適用される場合があります。

ビルクリーニング業
ビルクリーニング分野で特定技能2号を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
評価試験または技能検定1級試験への合格
2年以上の現場管理経験(週30時間以上の労働が対象)
試験の受験には、実務経験を証明する書類が必要であり、受入れ企業の協力が求められます。また、技能実習のビルクリーニング作業は実務経験としてカウントされません。

自動車整備業
自動車整備分野で特定技能2号を取得するには以下の条件が求められます。
評価試験または技能検定試験2級への合格
評価試験ルートの場合、認証事業場での3年以上の経験が必要(技能検定試験ルートの場合は実務経験不要)

自動車整備業の試験範囲
特定技能2号評価試験の範囲は、自動車のシャシ、エンジンに関し、次に掲げる範囲が試験に該当します。
試験区分 | 科目 |
---|---|
学科試験 | – 構造、機能及び取扱法に関する一般知識 |
– 点検、修理、調整及び完成検査の方法 | |
– 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する一般知識 | |
– 材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する一般知識 | |
– 保安基準その他の自動車の整備に関する法規 | |
実技試験 | – 基本工作 |
– 点検、分解、組立て、調整及び完成検査 | |
– 一般的な修理 | |
– 整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い |
その他の主要分野
特定技能2号の対象には、漁業、航空、造船・舶用工業分野も含まれています。それぞれの分野で求められる条件は異なりますが、共通して専門的な試験への合格と実務経験が必要です。
漁業分野では、2年以上の現場管理経験に加え、日本語能力試験N3以上の取得が要件となります。航空分野は空港グランドハンドリングや航空機整備業務での3年以上の経験が求められ、試験実施は未定です。
造船・舶用工業分野では、複数の作業員を指揮・管理する2年以上の経験と、特定技能2号試験または技能検定1級の合格が必須です。各分野とも高度な技能と経験が問われるため、計画的なキャリア形成が重要です。
特定技能2号採用における注意点

実務経験の証明が必要
特定技能2号を取得するには、分野ごとに定められた実務経験を証明することが必須です。
この実務経験には、具体的な年数や役職(例:班長、副店長など)の条件が課されており、勤務内容や期間を証明するための書類が必要です。企業は、日々の業務記録や勤務状況を正確に管理し、必要に応じて証明書を発行できる体制を整える必要があります。
不備がある場合、申請が認められない可能性があるため、特に技能実習生や特定技能1号からの移行を想定した計画的な記録管理が重要です。
特定技能2号を取得している事例が少ない

外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組|出入国在留管理庁
特定技能2号は、2023年以降対象分野が拡大されたものの、取得事例がまだ少ないのが現状です。
その理由は、厳しい要件や実務経験のハードルの高さにあります。2号取得には、特定技能1号の取得後にさらに高度な技能を習得し、試験や経験要件を満たす必要があり、多くの外国人にとって簡単ではありません。
このため、企業が積極的に支援しない限り、特定技能2号の取得者を採用するのは難しい状況です。企業としては、特定技能1号の人材を育成し、計画的に2号取得を支援することで、長期的な人材確保が可能になります。取得者が少ないからこそ、企業が受け入れ環境やキャリア支援の体制を整え、優秀な人材に選ばれる存在になることが重要です。
在留期間や更新手続きの確認
特定技能2号には在留期間の上限がないため、一見すると長期的な雇用が容易に感じられます。
しかし、在留資格の更新手続きは必要であり、更新が適切に行われなければ、外国人材が日本での就労を継続できなくなるリスクがあります。更新手続きには、契約内容や給与、労働環境が適切であることを証明するための書類が求められます。これらの要件を満たしていない場合、更新が認められないこともあります。
また、更新期限が近づいていることを見落とすと、申請期限を過ぎてしまう可能性があるため、企業側での定期的なチェックが不可欠です。長期雇用の実現には、企業の細やかなサポートが不可欠です。

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まとめ:特定技能2号を活用した人材戦略
特定技能2号は、深刻化する人手不足を解決し、企業の成長を支える大きな可能性を秘めています。高度な技能を持つ外国人材を活用することで、即戦力としての活躍が期待できます。本記事で紹介した条件や分野、手続きのポイントを押さえ、計画的な採用を進めていきましょう。特定技能2号を最大限に活用し、企業と外国人材がともに成長できる環境を築くことが、これからの人材戦略の成功の鍵です。
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この記事の監修者

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。