カンボジア人材を採用する企業必見!働き方と魅力を徹底解説

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・カンボジアの歴史と基本情報
・国民性と仕事観について
・一緒に働く上での注意点

急速に経済発展を遂げているカンボジア。一時は貧困国の代名詞のような位置にありましたが、現在では観光や農業などの成長が目覚ましく、街は活気であふれています。

カンボジアは若い世代が多い国です。海外で働く意欲を持つ若者が多く、日本もその選択肢のひとつ。向上心あふれ高度な専門技術を持ったカンボジア人が、日本で働く日を待ち望んでいます。現在は農業分野で来日するカンボジア人が多いものの、他の分野でも活躍できる高いポテンシャルを秘めています。

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カンボジアの基本情報

カンボジアは東南アジアのインドシナ半島に位置し、タイ・ラオス・ベトナムと国境を接しています。国土をメコン川が縦断しており、その周辺には肥沃な土地が広がります。面積は日本のおよそ半分で、人口は日本の7分の1ほどです。

ひらめきくん

詳しい情報については、以下の表をご参照ください。

項目内容
国名カンボジア王国(Kingdom of Cambodia)
国土181,035平方キロメートル
国旗中央に描かれた建物はアンコールワット。青色は王権、赤は国家、白は仏教を象徴しています。
首都プノンペン
人口16.9百万人(2023年国連人口基金)
民族クメール人(国民の90%)、少数民族
言語クメール語
宗教上座部仏教、イスラム教など国教は上座部仏教と定められているが、宗教の自由は認められている
1人あたりGDP1,920米ドル(2023年、IMF推定値)

急速に成長する経済と若年人口

出典:日本貿易振興機構(ジェトロ) 地域分析レポート カンボジア人材に「選ばれる日本」であるために

2019年の調査によると平均年齢は27歳で、15歳以下が人口の約3割を占める若い国です。こうした状態は「人口ボーナス」と呼ばれ、豊富な労働力によって今後の経済成長が大いに見込まれる要因の一つです。

一方、平均年齢が48歳近い日本では子どもや若年層の割合が減少しており、高齢化に伴って生産年齢人口が減る構造へと移行しつつあります。カンボジアでは今後も労働力人口が増加し、人口ボーナスは2045年まで続く見通しのため、経済活動がさらに活発化していくことが期待されています。

カンボジアの歴史

カンボジアの首都プノンペンは、かつては「東洋のパリ」と呼ばれるほど美しく洗練された街でした。しかし1970年代、毛沢東主義を過激化させたクメールルージュが台頭し、ポル・ポト政権が発足。知識人やエリート層を徹底的に粛清し、都市住民を農村に移して強制労働や強制結婚をさせました。

隣人を監視することが奨励され、家族間であっても密告が横行。国民の4分の1が命を落としたと言われています。集団農業政策は失敗し、国民は飢餓状態に陥りました。国土も人間も破壊したポル・ポト政権が崩壊した後、人材がいなくなったカンボジアの国造りは困難を極めました。

生き残った人々は、まず「他人を信用する」ところから始めなければならなかったのです。大きな犠牲と血のにじむような努力の末、ようやく平和な国となりました。

カンボジアの宗教

国民の殆どが、原始的な仏教に近い上座部仏教を信仰しています。人々は輪廻転生を信じ、より良い来世を願って徳を積みます。僧侶には厳しい戒律がありますが、在家信者には強制されていません。個人の信仰の度合いによって、肉食や飲酒をするかどうかが変わります。

ポル・ポト政権下では宗教が禁じられ、多くの仏教僧が粛清されました。僧侶や教師、密告された人々などが寺院や学校に集められ、次々と粛清されていったのです。平和が戻ってからも、寺院には生々しい血や銃弾の跡が残っていました。信者たちが少しづつお金を出し合い、どうにか修復したという経緯があります。

二番目に多いのがイスラム教で、人口の約1〜2%の人々が信仰しています。その多くが少数民族のチャム族です。以前はもっと数が多かったそうですが、ポル・ポト政権時代に大きく数が減ってしまいました。イスラム教徒は豚肉が禁じられていたり、調理方法などについてもタブーが多く存在しています。

仏教には二つの主流がある

上座部仏教は、インドから南方へ伝わり、スリランカや東南アジアで信仰されてきた伝統的な仏教です。戒律を厳しく守り、出家した人が修行して悟りを得ることを重視しています。

一方、日本で広く信仰される大乗仏教は、インドから北方(中国や朝鮮半島)を経由して伝わりました。出家しなくても誰でも救われると説いており、日本では「念仏を唱えるだけで救われる」と考える人も多いです。

カンボジア人と仏教を語る際は、大乗仏教を押し付けず、厳格な戒律を重んじる上座部仏教への理解が大切です。

カンボジア人の国民性と仕事観

温厚で笑顔を絶やさず年上を敬うカンボジアの人々は、日本の文化によく馴染むことができると高い評判を得ています。表立って反対意見を言う人はとても少なく、仏教の教えである「和顔愛語(笑顔で優しい言葉を使う)」を守る人が多い傾向にあります。人と衝突したり目立った行動をせず、争いごとがあっても、その場を丸く収めようとします。

仕事に誇りを持ち、まじめに取り組む人が多いのも特徴的です。家族のためにお金を稼ぐことを第一の目標とし、困難なことがあっても何としても頑張りぬきます。手先も器用で、技術の習得能力が高いと言われています。

カンボジアでは納豆の一種や海苔も食べるため、日本の食生活にもすぐに馴染める傾向にあります。

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カンボジア人と一緒に働くときの注意点

相手を尊重するためのマナー

カンボジアでは、昔からあらゆるものに精霊が宿ると考えられ、特に頭の精霊は重要とされています。そのため、たとえ赤ちゃんでも頭を触ってはいけません。また、肩や手など身体にも無闇に触れないよう注意し、男性は特に女性に触れないよう気を付けましょう。
また、カンボジア人は温和ですが、自尊心が高く、人前で馬鹿にされることを嫌います。注意するときは個別に話し、頭ごなしではなく理由を伝えて納得してもらうよう心掛けてください。

さらに、政治や歴史などについて深く話をするのは避けましょう。特に、職場にタイ人がいるときは注意が必要です。隣国のタイはアンコールワットはタイのものだという主張をしているため、歴史認識の違いで争いに発展することがあります。

食文化と時間感覚の違いに配慮する

一部の地域では、牛乳を「子牛の飲み物」として人間が飲むものではないと考える人もいます。一方で、蜘蛛やカエルのから揚げなど、昆虫や爬虫類、犬や猫など何でも食べる人々もおり、結婚式の蟻料理などはスタミナ食として人気があります。日本人には珍しい食材でも、カンボジアではごちそうですので見下さず、食文化を尊重しましょう。

また、カンボジア人は日本人ほど時間に厳密ではないとされています。時計を持っていなかったり壊れていたりすることもあり、守りたくても守れない場合があります。カンボジア人が来日した際は、日本の正確な時間感覚と、その重要性を丁寧に伝えることが大切です。

カンボジア人の対日感情

カンボジアには親日家が多いと言われています。同じアジアの仏教国、人の和を大事にするところなど、日本との共通点を感じる人が多いといいます。

シニア世代からの声

「日本人がフランス人を追い出してくれて、胸がスッとした」「日本の兵隊さんがフランス人を連行していった時、あんな大きなフランス人に勝った日本にビックリしたし、同じアジア人として誇らしかった」という声をよく聞きました。

フランス植民地時代のカンボジアを救ったのは日本だ、と考える人が多かったようです。現在では、日本のカルチャーやファッション、テクノロジーなどに憧れを持つ若者が増えており、日本語熱も高まっています。

カンボジア日本人材開発センター

カンボジア王立プノンペン大学には、カンボジア日本人材開発センターが設置されています。2023年に開催された「Job Fair 2023」には、学生や現在仕事をしている人など93名が参加し、日本で就職するためのノウハウを学びました。

プノンペン大学 日本語学科の就職状況

・毎年の卒業生120名のうち、約20名が日本へ就職
・その他の卒業生は日系企業や日本語学校などで活躍
・円安でも日本で働く夢を諦めない学生が多い

カンボジアには、日本を愛し日本語を上手に操る若者が数多く存在しています。

カンボジアの対日世論調査結果

外務省は、令和6年3月15日に各国で実施した対日世論調査結果を発表しました。カンボジアの調査結果は次の通りです。

スクロールできます
調査項目結果
最も信頼できる国・機関1位日本,2位中国,3位米国
日本に対して抱いているイメージ1位戦後一貫して平和国家の道を歩んできた,国2位経済力、技術力の高い国,3位豊かな伝統と文化を持つ国
日本に関してもっと知りたい分野1位政治・外交・安全保障,2位経済,3位科学・技術
日本に関する関心1位和食,2位建築,3位生活様式、考え方
あなたの国と日本は現在どのような関係かとても友好関係にある 57%,どちらかというと友好関係にある 35%

日本とカンボジアの関係

江戸時代初期、朱印船貿易の取引先のひとつに、カンボジアがありました。徳川家康とカンボジアの国王との間で取り交わされた書簡が今でも残っています。その頃、ウドンという街に日本人街がつくられました。日本の「うどん」は、ウドンから来たとも言われています。また「かぼちゃ」の由来はカンボジア、という説も濃厚です。

アンコールワットの遺跡には当時の侍による日本語の落書きが今でも残されており、名所となっています。江戸初期のこと、平戸藩にいた森本一房(右近太夫)が朱印船に乗り込み、アンコールワットを祇園精舎と思い込んで参拝し、その記念に壁に落書きしたものです。

現在、日本とカンボジアは「包括的戦略的パートナーシップ」の関係にあります。日本はカンボジアに対して、2023年までの累計で有償資金協力(低金利の資金貸し出し)約2,750億円、無償資金協力(返済義務のない資金支援)約2,446億円、技術協力約1,026億円を支援しました。

日本が建設した2つの橋と日の丸は、カンボジアの紙幣500リエル札に描かれています。通常はUSドル紙幣が流通しているカンボジアですが、リエルも使われています。特に少額紙幣である500リエルは国民に広く行きわたっており、描かれている「きずな橋」と「つばさ橋」は、日本とカンボジア友好のシンボルとして有名です。

ひらめきくん

最後に、日本で働くカンボジア人の声をまとめました!

日本で働くカンボジア人の声

「同じ仏教国なので安心です」「日本は食事がおいしく栄養もあるので健康になりました」「日本で学んだ技術を持ち帰ってカンボジアの国造りに貢献したいです」「憧れの日本で生活できて幸せです」

まとめ

2023年6月時点で、日本に住むカンボジア人は21,592人。このうち5000人ほどが特定技能の資格を持ち日本で働いています。この数は今後ますます増えていくことでしょう。少子高齢化が問題となっている日本にとって、若い人口が多く、様々な価値観を共有できるカンボジアの労働力はとても魅力的です。彼らが能力を発揮できるよう、カンボジアの歴史や文化を理解し、職場環境を整えましょう。

参考資料
外務省:カンボジア基礎データ
外務省:カンボジア情勢と日・カンボジア関係
JETRO:カンボジア人材に「選ばれる日本」であるために
東南アジア ─ 歴史と文化 ─ № 44, 2015:17世紀初頭カンボジア - 日本往復書簡について
外務省:ASEAN諸国における対日世論調査結果

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秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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