外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら！
・外国人採用における主なデメリット
・デメリットを回避する具体的な対処法
・採用ノウハウや最新情報
外国人採用を検討するとき、語学や文化の違い、ビザ手続きなど「知らないまま進めると困る」事柄が多くあります。デメリットを正しく理解し、事前に回避策を打つことで、企業が求める優秀な人材を確保しやすくなります。
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増加する在留外国人
日本では労働力不足が深刻化しており、在留外国人の数は年々増加しています。2015年末に約223万人だった在留外国人は、2024年末には約358万人に達する見込みです。
国籍別で見ると、中国が最も多く約84万人、次いでベトナムが約60万人、韓国が約41万人となっています。今後はビザの規制緩和が進むため、さらに増えることが予想されます。
外国人採用が注目される背景
日本では深刻な高齢化が進んでおり、65歳以上が占める割合は1950年の4.9％から2023年には29.1％へと急増し、さらに2070年には38.7％に達する見通しです。
この影響で、介護や建設などの労働集約型産業では慢性的な人手不足が深刻化しています。こうした状況を打開するため、外国人労働者の採用が注目を集めており、政策や制度を活用して新たな人材を確保する必要が高まっています。
外国人採用のデメリット
働く制限と費用面の課題
外国人採用では、ビザ申請や更新費、渡航費などの追加コストが課題になります。ビザの種類によって働ける範囲が制限されるため、採用後に業務内容を再調整する必要がある点にも注意が必要です。
もし審査過程で申請書類に不備が見つかった場合、申請が却下されるだけでなく、次の申請までに時間を要する可能性もあるため、企業側は専門家の力を借りながら書類準備を慎重に進めることが大切です。企業と外国人双方の不安を減らすためにも、余裕のある準備を心がけましょう。
・ビザ申請に必要な書類の把握：専門家への相談も検討
・渡航費用やサポート費用の見積もり：企業負担額と候補者の負担額を明確化
・審査が却下された場合の代替策：スケジュールに余裕を持った採用
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コミュニケーション面の課題
外国人採用では、言語や文化の相違によりコミュニケーションの問題が生じやすいです。日本語が堪能な方でも、ビジネス敬語や専門用語、日本独自の慣行や暗黙の了解などを理解するには丁寧な指導が必要です。
国によって仕事観や時間意識が異なるため、サービス残業への抵抗など小さなズレが生じ、それが離職やチームワーク低下につながる恐れもございます。言語・文化研修や相談窓口の整備を通じ、双方が安心して働ける環境づくりを進めることが重要です。
契約や法律の理解不足
外国人を採用するには、日本の労働基準法だけでなく、入国管理法や在留資格の規定も理解しましょう。
例えば「技術・人文知識・国際業務」ビザは専門業務の就労しか認められず、範囲を超えると不法就労に当たる可能性があります。契約書には業務内容を明確に記載し、両者の誤解を防ぐことが必要です。
社会保険や厚生年金、住民税などの手続きに対応しないと、企業がペナルティを受ける場合もあります。ビザ更新を怠ればトラブルにつながるため、行政書士や登録支援機関と連携して法的リスクを回避しましょう。
デメリットを回避する方法
文化・習慣の違いへの対応策
文化や生活習慣が大きく異なる外国人を受け入れる際は、まず相手のバックグラウンドを理解しようとする姿勢が欠かせません。
たとえば、食事制限や礼拝時間などは宗教による違いも大きいため、あらかじめ会社として柔軟に対応できる体制を整えておくことが重要です。また、入社時や定期研修で相互理解を深める場を設けることで、日本人スタッフも外国人スタッフもお互いを尊重するきっかけを作れます。
言語ギャップを減らすための工夫
言葉の壁は、外国人採用における最も大きな課題の一つです。ビジネス敬語や専門用語が分からないと、仕事の内容を誤解したり、指示に迅速に対応できなかったりする恐れがあります。
そのため、採用時から日本語レベルを確認しつつ、入社後は語学研修やオンライン日本語学習サービスなどを活用することが望ましいでしょう。
また、定期的なフォローアップ面談を行い、業務でつまずいた部分や疑問点を共有する機会を設けると、相互理解が深まりやすくなります。具体的で丁寧な指示を習慣づけることも、言語ギャップを減らすポイントです。
ビザや在留資格の専門的なサポート
外国人雇用では、就労可能なビザを取得しているかどうかを確認することが最重要となります。ビザの種類によって業務範囲や就労可能期間が変わり、企業が手続きを誤ると不法就労にあたるリスクもあります。
そこで、行政書士などの専門家と連携し、採用前の在留資格チェックや更新スケジュール管理を徹底しましょう。特に海外在住者を雇用する場合は、ビザ申請から渡航までに時間がかかるため、採用活動の早い段階で相談を始めることが大切です。
雇用開始までの時間・コストの負担軽減
外国人材を採用する際は、渡航費やビザ申請費用など追加で発生するコストを見込む必要があります。日本在住者でも、在留資格の変更や書類手続きに時間がかかることがあるため、すぐに現場で働けるとは限りません。
対策としては、早めの採用スケジュールを組み、書類の不備を減らすよう専門家と連携することが挙げられます。オンライン面談や入社前の研修を活用し、来日後すぐに業務へスムーズに移れるよう準備しておくのも効果的です。こうした事前対応によって、企業も候補者も余計なストレスを減らすことができます。
労働条件・環境整備の見直し
外国人スタッフを採用するなら、日本人と同等の労働条件を提示することはもちろん、彼らが安心して働ける職場環境を作ることも欠かせません。最低賃金や社会保険加入義務は徹底し、残業や休暇の取り扱いについてもクリアなルールを設けましょう。
サービス残業や曖昧な労働時間管理が続けば、外国人スタッフが強い不満を抱き、早期離職につながる可能性が高まります。さらに、定期的に面談を行って労働環境の改善点を聞き出すことで、企業全体の働き方改革にも波及効果が期待できます。
職種別にみる主な在留資格（ビザ）の一覧
以下の表は、代表的な職種と該当しそうな在留資格（ビザ）の例です。実際には業務内容や企業の状況によって必要な在留資格が異なるため、注意してください。
| 職種（例） | 該当しそうな在留資格（ビザ）例 |
|---|---|
| エンジニア（IT・機械・設計など） | 技術・人文知識・国際業務（IT業務、機械設計など） |
| 通訳・翻訳 | 技術・人文知識・国際業務（通訳・翻訳業務に該当する場合） |
| 介護 | 介護（介護福祉士等の資格取得が必要） 特定技能（介護分野） |
| 飲食店・調理師 | 特定技能（外食業分野） 技能実習（調理分野） |
| 建設業 | 特定技能（建設分野） 技能実習（建設分野） |
| 農業 | 特定技能（農業分野） 技能実習（農業分野） |
| ホテル・宿泊業 | 特定技能（宿泊分野） |
| 製造業 | 特定技能（製造業分野） 技能実習（製造業関連職種） |
| アルバイト（留学生） | 留学（資格外活動許可による週28時間以内の就労） |
| 経営管理 | 経営・管理 |
| 研究職 | 研究 |
| 語学教師など | 教育（学校・教育機関での教員業務） 技術・人文知識・国際業務（外国語教師など） |
ポイント
- 在留資格によって就労できる業務範囲や契約形態が制限されるため、採用前にしっかり確認する必要があります。
- 技能実習や特定技能は、対象となる業種・職種が法律で定められているので要注意です。
- 技術・人文知識・国際業務は、大学卒業や実務経験などの要件を満たす必要があるため、事前チェックが欠かせません。
- 介護ビザ（介護）や資格が必要な在留資格は、国内での資格取得が前提となる場合もあります。
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外国人採用のよくある質問
外国人採用はお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。
