【2025年版】厚労省の最新調査から読み解く!外国人労働者の現状と課題

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外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!

・産業別・企業規模別の最新傾向
・外国人採用の主な課題と対策
・効果的な採用チャネルや定着策

外国人採用に関心を持つ企業が増える一方、「どのような条件で働いてもらっているのか」「実際にどんな課題が起きているのか」を正確に把握できていますか? 厚生労働省が初めて公表した「令和5年外国人雇用実態調査」を通じて、今の外国人雇用の現状や課題、そして成功のヒントを探ります。

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はじめに

近年、日本の人手不足が深刻化するなかで、外国人採用を検討する企業が急増しています。実際に外国人労働者を雇用する事業所も増えつつあり、厚生労働省は2023年(令和5年)に初めて「外国人雇用実態調査」を行いました。この調査では、外国人労働者の賃金や勤務形態、入職経路から転職動向まで幅広い実態が明らかになっています。

この記事では、厚生労働省ホームページから最新情報を参照しながら、外国人採用の現状とポイントを解説します。
厚生労働省 令和5年外国人雇用実態調査

令和5年調査で見る外国人採用の実態

初めての大規模調査の概要

厚生労働省は、外国人労働者の雇用実態を正確に把握し、今後の政策や企業支援策を検討するために初めて大規模な調査を実施しました。対象となったのは、全国の雇用保険被保険者数が5人以上かつ外国人労働者を1人以上雇用している事業所です。詳細については、下記になります。

調査対象
  • 対象事業所数:9,450事業所(有効回答3,534事業所)
  • 回答した外国人労働者数:11,629人
  • 調査時点:令和5年9月30日現在

このように信頼度の高いデータが公表されたことで、外国人雇用の実態を具体的な数値で把握できるようになりました。

調査方法と結果の活用

調査は、対象事業所に対して郵送やオンラインで実施し、企業側には外国人労働者の在留資格や雇用形態、給与、労働時間などを詳細に回答。また、外国人労働者本人に対しては母国語あるいは英語・日本語でのアンケートを行い、入国費用や入職経路、転職時の給与変化などを聞き取っています。

企業の採用担当者や経営者は、これらの調査結果から以下のような活用が考えられます。

活用方法
  • 自社の外国人採用の給与水準を比較検討し、人材確保や定着率向上に役立てる。
  • 在留資格の違いによる雇用管理上の留意点を整理する。
  • 入職経路の情報を把握して、より効果的な採用を行う。

外国人雇用の最新動向

産業別・在留資格別の雇用動向

令和5年の調査によると、外国人労働者数は約160万人にのぼり、そのうち「製造業」が32.0%と最多です。次いで、「サービス業(他に分類されないもの)」や「卸売業・小売業」、「建設業」などが続き、上位4産業だけで約2/3を占めています。

産業別:在留資格
  • 専門的・技術的分野:全体の35.6%
  • 身分に基づくもの(永住者・定住者など):30.9%
  • 技能実習:22.8%

上記の在留資格が大きな割合を占めました。特定技能技能実習は、製造業や建設業で多く利用されており、一方で専門的・技術的分野は「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門職」など、多様な業種に広がっています。

給与水準と働き方の実態

調査結果をみると、一般的なフルタイム勤務(一般労働者)の場合、月の所定内労働時間は155.8時間、超過実労働時間は19.8時間という数字が出ています。月収は平均267,700円程度です。

在留資格:平均年収
  • 専門的・技術的分野:平均28.59万円
  • 技能実習:平均20.41万円
  • 身分に基づくもの:平均30.23万円

日本語能力や業務内容、企業規模などによっても賃金水準には幅があり、特に「高度専門職」は平均60万円以上とかなり高めの水準が確認されました。

企業規模別の雇用状況

企業規模別に外国人労働者数をみると、100~499人規模が約46万人と最も多く、次いで1,000人以上規模が約39万人、5~29人規模で約31万人、30~99人規模が約29万人となりました。事業規模によって利用しやすい在留資格が異なる点にも注目できます。詳細は下記の表をご覧ください。

参考資料

企業が感じる外国人雇用のメリットと課題

企業が外国人採用を行う理由

下記は外国人雇用の主な理由と回答率をまとめた表です。最も多い理由は「労働力不足の解消・緩和」で64.8%。続いて「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待」(56.8%)が多く、多様性や専門知識の活用も挙がっています。

企業は人材不足対策だけでなく、新たな発想や海外市場との連携でも外国人採用を活用しています

外国人雇用の理由割合(%)
労働力不足の解消・緩和のため64.8%
日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して56.8%
国際化・多様性の向上を図るため18.5%
日本人にはない知識・技術の活用を期待して16.5%
ひらめきくん

複数回答が可能な設問のため、合計は100%を超えています。

雇用における主な課題

一方、外国人雇用に関する課題としては、「日本語能力などのためにコミュニケーションが取りにくい」(44.8%)が最多でした。これは業種を問わずよく挙げられる問題であり、定着率や生産性にも大きく影響します。

その他理由
  • 「在留資格申請等の手続きが面倒・煩雑」(25.4%)
  • 「在留資格によって在留期間の上限がある」(22.2%)
  • 「文化や価値観の違いによるトラブル」(19.6%)

などが続きます。これらの課題への対策としては、専門家や行政書士に在留資格手続きを依頼したり、日本語研修や生活支援体制を充実させるなど、企業側の積極的な取り組みが求められます。

入職経路と転職傾向の最新情報

日本在住者の就職ルート

入職前の居住地が日本であった外国人労働者については、「知人・友人からの紹介」(43.0%)が最も多く、「求人広告(インターネット含む)」(19.3%)、「日本国内の民間紹介会社」(9.9%)などが続きます。

入職経路割合(%)
知人・友人からの紹介43.0%
求人広告
(インターネット含む)
19.3%
日本国内の民間紹介会社9.9%

すでに日本に滞在している外国人材は、口コミや知人ネットワークを通じて就職先を探す例が少なくありません。人材紹介や広告を利用するケースもありますが、知人の紹介ルートが有力である点は把握しておきたいところです。

海外在住者の就職ルート

一方で入職前居住地が日本以外の場合は、「出身国・地域の紹介会社・個人」(51.5%)が圧倒的に多く、次いで「日本国内の紹介会社・個人」(13.5%)、「出身国・地域のその他機関」(12.0%)となっています。現地のエージェント(送り出し機関)を活用する企業が多いことがうかがえます。

また、入国までにかかった費用としては、

・「20万円以上40万円未満」(23.0%)
・「20万円未満」(19.2%)
・「80万円以上100万円未満」(14.3%)

といった具合に、個人の状況や在留資格によって大きなばらつきがありました。特に技能実習や留学ビザからの就職では、まとまった資金が必要となる場合があります。

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転職後の賃金アップ状況

前職が日本国内の外国人労働者は、転職後に賃金が「10%以上30%未満増加」(25.1%)が最も多く、約6割が増加しているとの結果が出ました。特に「技術・人文知識・国際業務」などの専門人材では、「30%以上増加」(27.3%)も一定数存在しています。

一方、前職が海外だったケースでは、そもそもの賃金水準が異なるため、「50%以上増加」や「100%以上増加」が多い傾向にあります。こうした背景から、海外在住者の日本への転職は大幅な賃上げを見込んで行われることが多く、企業としても魅力的な給与条件を提示できるかがポイントとなるようです。

まとめ

令和5年外国人雇用実態調査によると、企業が外国人材に期待する「即戦力」としての活躍は今後ますます広がりそうです。一方で、日本語能力・在留資格手続き・文化的背景など、課題も依然として多く存在します。適切な対応策を講じられれば、社内の多様性を高め、人材不足の解消だけでなく新しい価値創造にもつながります。

最新の情報は厚生労働省の公式サイトを参考にしてみてください。

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この記事の監修者

プロフィールカード
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キャリアアドバイザー
秦 秀斗

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。

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