
外国人雇用を本音で語る「リクアジの編集部」の上田です。本日のトピックはこちら!
・日本で働く中国人の実態が分かる
・中国人材の特性と注意点を理解
・良好な職場環境づくりのヒント
2024年12月末現在、日本には873,286名の中国人が住んでいます。在留外国人の中で最も多く、約4人に1人が中国人という状況です。また、永住者の3割を中国人が占めており、留学生や家族滞在なども最多。日本に住む中国人は今後も増加し続ける見込みです。
就労目的で来日している中国人の就労ビザ取得者の内訳は、技能実習生25,960名、特定技能17,761名、技術・人文知識・国際業務103,622名。日本では既に身近な存在となり各地で働いている中国人ですが、これから新たに雇用する会社も多いでしょう。中国人労働者の国民性や仕事観などを知り、より良い職場環境作りに役立ててください。

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中国の基本情報

中国は世界第2位の経済規模を誇り、国土は日本の約26倍、人口は11倍以上の大国です。14カ国と隣接しており、地域によって全く異なる多様な気候帯(熱帯気候から寒温帯まで)が存在しています。
項目 | 内容 |
---|---|
国名 | 中華人民共和国(People’s Republic of China) |
国土 | 約960万平方キロメートル(日本の約26倍) |
国旗 | 赤色(革命と共産主義)、黄色(光明)、大きな星(共産党)、小さな4つの星(労働者・農民・小資産階級・民族資本家)※諸説あり |
首都 | 北京 |
人口 | 約14億人 |
民族 | 漢民族(総人口の約92%)及び55の少数民族 |
言語 | 中国語 |
宗教 | 仏教・道教・イスラム教・キリスト教(カトリック・プロテスタント) |
1人あたりGDP | 約12,814ドル(2022年、IMF(推計値)) |
中国人材の特徴
他国の人材と比べ、日本語の習得スピードが速いと言われている中国人材。職場のルールやビジネスマナーなどに順応しやすく、問題が発生しても臨機応変に対応できます。高度な教育を受けた人が多く、向上心があって勤勉。新しい技術を積極的に学び、上司の言うことを素直に聞きます。
中国人同士のネットワークがあり、ビジネスチャンスやその他様々な情報交換が盛んに行われています。
中国の社会
中国の社会は、ハイテク技術と昔ながらの伝統文化が共存しています。巨大ECやキャッシュレス決済、電気自動車やAIが急成長し世界をリード。小さな屋台でも現金不要です。その一方で伝統的な文化や行事が守られ、大切に継承されています。
また、経済格差がとても大きく、富める者と貧しい者の間にある壁はなかなか越えられません。地域差も問題視されており、内陸には貧困地帯が拡がっています。
歴史
紀元前7000年ごろにはすでに長江周辺で稲作が実施されていた中国。紀元前5000年には黄河文明が始まり、やがて中国最古の王朝時代へと移行しました。紀元前221年、秦の始皇帝が中国を統一。漢王朝や三国時代などを経て隋、唐、五大十国時代、宋、元などが栄え、1911年に辛亥革命によって中華民国へ。
1949年に中華人民共和国が建国され、共産主義国となりました。1978年に始まった改革開放政策により、世界有数の経済大国へと発展。現在も様々な分野で世界をリードしています。
宗教
中国の憲法では「信教の自由」が認められていますが、国が許可している宗教は仏教、道教、イスラム教、キリスト教(カトリックとプロテスタント)のみ。中国政府による情報では、総計1億人以上の信者が存在しているとのこと。しかしその数は情報源によってばらつきがあり、3億人以上が何らかの宗教を信じているという統計もあります。
宗教団体は政府に登録し、「合法的な礼拝」をしなければなりません。共産党員は無神論者であることが義務づけられています。
中国の国民性と仕事観
世界中どこに行っても自国の文化を守り、同郷ネットワークを駆使して逞しく生活している中国の人々。日本にも数多く移り住んでいる中国人ですが、どのような国民性と仕事観を持っているのでしょうか。

国民性
中国の人々は率直でストレート。自分の意見をはっきりと主張します。実利的で競争心が強く、適応力も高いためどこにいても成功すると言われています。
親しい者との関係が何より大事で、一度信頼関係ができると家族のように接します。各地でコミュニティを形成し、中国の伝統文化やお祭りなどの行事を実施しています。
仕事観
仕事は「やりがい」よりも、給料や待遇を重視。スキルアップや待遇アップのため、転職を繰り返す傾向にあります。独立して自分のビジネスを立ち上げることを目指し、経験を積むために就職する人も多数存在。
中国人と一緒に働くときの注意点
日本人と中国人は、見分けがつかないほどそっくりです。同じ顔なので中身も同じだと思いがちですが、育った環境も文化も価値観も全く違うため驚くこともあるでしょう。
中国人と一緒に働くとき、どんなことに注意するべきでしょうか。
職場で注意すること
例え日本語が流暢であっても、全てを理解するのは難しいもの。指示するときはゆっくりと、わかりやすい言葉を使いましょう。また、契約書を交わすのはもちろんのこと、合意事項も明文化しておくことが重要です。ビジネスライクで冷たいと日本人は感じるかもしれませんが、曖昧な表現はせず、はっきりと文書に残しておくことをおススメします。口約束ではなく文章にすることでお互い納得でき、トラブルの芽を摘むことにつながるでしょう。
仕事を円滑に進める上で最も大切なのは信頼関係です。いつも冷静でにこやかに、優しい言葉遣いを心がけてください。政治や宗教などの議論は避けましょう。中国人労働者は、信頼できる上司にとても素直に従い、効率よく仕事をすすめてくれます。
生活で注意すること
浴室やトイレ、台所など水回りの使い方が日本と違う場合が多いので、生活のルールをわかりやすく文章にして伝えてください。ごみの分別や捨て方なども細かく教える必要があるでしょう。
また、電話の声が大きい傾向にあるので、特に夜間や公共の場所などは小さな声で話すことや、日本には生活音をなるべく小さくして人に迷惑をかけない暗黙の了解があることなども教えること。寮などに入居する初日に、文書や資料を使いながら説明することをおススメします。
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日本と中国の関係
現在、日本と中国は「戦略的互恵関係」にあります。経済的な結びつきが強く、日本にとって中国は最大の貿易相手国です。日本は中国に対し、責任ある大国として国際ルールに基づいて行動するよう働きかけています。
政府開発援助(ODA)
日本の政府開発援助は、戦後賠償の一環として始まりました。中国に対しても、莫大な支援を実施しています。その内容は有償資金協力約3兆3,165億円、無償資金協力約1,576億円、技術協力約1,857億円。インフラ整備や技術開発、教育・医療・環境などの分野に多大な貢献をしていますが、中国国民にはその事実を知らされていません。
日本を抜き経済大国となった中国に対する支援は2018年まで続き、継続案件は2021年に終了しました。
日本で働く中国人の声
「日本の技術を学び、中国で活かしたいです」「日本の文化が大好き。日本で仕事できて幸せ」「日本人の礼儀作法や秩序にいつも驚かされています。学ぶところが多いと感じています」「日本は空気も水も食べ物も、何でも最高!」「職場の皆さんに親切にしてもらい、楽しく仕事できています」「なるべく長く日本で生活して、全てを吸収できるよう頑張ります」
まとめ
日本の隣国、中国。両国は古代より緊密な交流がありました。現在でも人の往来は盛んで、在留外国人のうち最も多いのが中国人という状況。今後もその状況は続く見込みで、近所や職場で中国人と接する機会が増えることは確実です。日本とは異なる中国の価値観を理解し、労働力不足解消と経済発展を目指しましょう。
参考資料
出入国管理庁:令和6年末現在における在留外国人数について
外務省:中華人民共和国People’s Republic of China
法務省:中国(チベット、香港、マカオを含む) 世界の宗教の自由に関する報告書 2012 年 International Religious Freedom Report for 2012 United States Department of State • Bureau of Democracy, Human Rights and Labor

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この記事の監修者

大学卒業後、経営コンサルティング会社に入社し、企業の経営支援に携わる。その後、dodaを運営するパーソルキャリアにて、様々な方の転職支援に従事。その経験を活かし、株式会社JINにて、人材事業を開始。